組織ポリペプチド抗原(TPA)

臓器特異性が低く、さまざまな癌において高値となる。癌の増殖活性を反映するため、治療経過の把握に有用な指標。

スポンサードリンク

組織ポリペプチド抗原(TPA)

組織ポリペプチド抗原(tissue polypeptide antigen:TPA)は、
各種ヒト悪性腫瘍の細胞膜や細胞質内小胞体に存在する共通抗原と
して1957年に同定された単鎖ポリペプチドです。
胎児・胎盤組織のような細胞増殖の活発な正常組織にもその存在が
認められることから、細胞分裂過程に何らかの関与をしていると考
えられています。

実際、最近になってTPAの腫瘍細胞における産生が細胞周期のS後期
からG2期に行なわれ、M期に細胞外に放出されることが発見されま
した。
また別の報告では、TPAと細胞骨格を構成するサイトケラチンとの
間にアミノ酸配列の広範囲な相同性が見出されており、TPAがサイ
トケラチン前駆体あるいはその関連物質である可能性を示唆してい
ます。

組織ポリペプチド抗原(TPA) の詳しくはこちら

高齢者における検査値 腎機能

加齢により腎皮質機能は低下します。腎血管機能を示す腎血漿流量
(renal piasma flow:RPF)は10歳ごとに10%ずつ減少し、20代で
600ml/minです。RPFは70代で300ml/min程度にまで減少します。
糸球体機能を示す糸球体濾過率(glomerular filtraion reio:GFR)
は30歳以降、1年に0.75〜1.0ml/min減少し、80歳以上では50ml/min
となります。これは細動脈硬化と糸球体数の減少(70代になると健
常な糸球体は半分以下になる)によります。
GFRの基準的な測定法はイヌリンクリアランスですが、臨床的に
は内因性クレアチニンクリアランス(creatinine clearance:Ccr)
で代用されます。
蓄尿の不備および尿量測定の誤差は腎クリアランス試験の誤差の主
要因です。このため、採尿を行わないで性別・体重・身長・年齢な
どと血清クレアチニン(CRE)からクレアチニンクリアランス(Ccr)
を推定する推算式は正確な蓄尿が困難な小児や高齢者では有用です。
国際的に広く用いられているCockcroftの式を日本人に適応した場
合には、30〜50歳では良好な結果が得られますが、高齢者ではクレ
アチニン排泄量が実際より低く推定されます。このため日本人のデ
ータを取り扱う場合には堀尾の式が優れています。

高齢者における検査値 腎機能 の詳しくはこちら

高齢者における検査値 血液・凝固検査

高齢者の検査値は、加齢要因以外に環境要素(ADL、食事、生活
習慣など)が加わっています。一般成人の基準値を参考にして、そ
れらを考慮して判断する必要があります。

1)赤血球(RBC)・ヘモグロビン(Hb)・ヘマトクリット(Ht)
赤血球数・ヘモグロビン・ヘマトクリットは加齢に伴い減少します。
一般にHb11〜11.5g/dl以下を貧血とします。老人性貧血には、加
齢に伴ってみられ基礎疾患を有しない生理的貧血と基礎疾患を有す
る病的貧血があります。生理的老人性貧血の原因は骨髄脂肪化と有
核細胞数の減少が主因と考えられています。
病的貧血では、二次性貧血の頻度が高く、基礎疾患として慢性関節
リウマチ、結核を含む慢性感染症、甲状腺機能低下症などの内分泌
疾患、腎疾患、消化器疾患では潰瘍・悪性腫瘍・肝硬変・憩室症な
どに注意します。
また、鎮痛剤による胃炎・胃潰瘍などをきたしやすく、時にH2受容
体拮抗薬による骨髄抑制もあります。

高齢者における検査値 血液・凝固検査 の詳しくはこちら

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAPの新着記事
尿中糖定性
糖尿病をはじめとする高血糖を起こす病態や、腎機能障害により尿中に増加するグルコースを定量する検査。
尿中ウロビリノーゲン定性
ビリルビンの代謝産物。健常人の尿中では通常(±)。肝疾患や溶血性貧血で陽性になる。
尿中ビリルビン定性
黄疸を伴う肝・胆管疾患のスクリーニング検査です。尿を直射日光下に放置すると分解され陰性となるので注意。
尿沈渣
尿中の細胞や結晶成分を分析して泌尿器系疾患を診断する基本的な検査。病態解析に多くの情報を得ることができます。
尿の比重
尿の比重から、濃縮能や希釈能を推定し、腎機能を診断する検査
尿中潜血反応
尿中への血液混入を判定する検査。尿路系の炎症、結石、腫瘍や糸球体腎炎で陽性を示す。
尿中ケトン体
糖尿病患者の高血糖状態におけるケトアシドーシスで陽性。また飢餓状態時にも陽性になる。
尿中蛋白定性
尿中の蛋白量を測定し、腎疾患の早期発見や治療効果をみる検査。
扁桃炎(へんとうえん)とアデノイド
扁桃とはアーモンドのことで、口蓋扁桃の形が似ているのでそう呼ばれています。主として口蓋扁桃に生じた炎症が扁桃炎で、咽頭扁桃の肥大がアデノイドです。
高齢化に伴う身体的変化
ヒトは生まれてから遺伝子プログラムに従い成長することから、生まれてすぐに老化が開始されることになります。高齢化に伴う主な身体的変化を次に示しますが、この変化が生理的変化か病的変化かの線引きは難しいとされています。
高齢者の臨床検査値の特徴
高齢者では日常生活に行動能力(activity of daily living:ADL)の違いが臨床検査値に影響を及ぼし、個体差が大きくなる傾向があります。
ネコひっかき病の診断法
ネコひっかき病(cat scratch disease:CSD)は、おもにネコからヒトに伝播する人獣共通感染症で、その主要原因菌はBartonella henselaeです。
アルコール性肝炎と飲酒量
男性ではエタノール換算で1週間に200〜360グラムの飲酒を長期にわたり続けると、肝硬変や肝癌のリスクが上昇することが示されました。
インフルエンザ抗原検査 迅速キット
臨床的に重要とされるA、B型の抗体および抗原を検査。抗原性が毎年変化するため、既感染による免疫では感染防御が不十分で流行をみる
低カルボキシル化オステオカルシン/ucOC
血清中の低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)の測定は、骨におけるビタミンKの不足状態を反映し、骨粗しょう症の治療でのビタミンK2剤選択時の補助的指標として有用です。
薬剤耐性とは
細菌やウイルスなどの病原性微生物やがん細胞などが、抗生物質や抗癌剤など(化学療法剤)の薬剤に対して抵抗力を持ち、これらの薬剤が効かない、あるいは効きにくくなることを指します。
1型コラーゲン-C-テロペプチド(1CTP)
骨基質の分解産物で骨吸収量を反映する指標。癌の骨転移の有無や治療効果の判定に有用。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint