シフラ(CYFRA:サイトケラチン19フラグメント)

肺の扁平上皮癌および腺癌の診断、経過観察に有用な血中腫瘍マーカー。

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シフラ(CYFRA:サイトケラチン19フラグメント)

シフラ(cytokeratin 19 fragment:CYFRA)は、上皮細胞の中間径
フィラメントの構成蛋白であるサイトケラチン分子種の一つである
サイトケラチン19の可溶性フラグメントの通称です。
各種サイトケラチンには一定の細胞種特異性が存在します。このう
ちサイトケラチン19は広く上皮性細胞に分布し、肺の非小細胞癌、
とりわけ扁平上皮癌や腺癌で多量に産生されることが知られていま
す。

癌患者においては、細胞内プロテアーゼの作用に基づくサイトケラ
チンの分解亢進により可溶性フラグメント(シフラ)の血清中濃度
が増加すると考えられており、その測定は非小細胞肺癌の血清診断
に有用です。また、各種婦人科癌でも高値を示すことが報告されて
います。血中濃度に対する喫煙の影響は認められませんが、加齢に
伴ってやや高値を呈する例が出現することには留意すべきです。

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SCC抗原

SCC抗原(squamous cell carcinoma antigen )は、子宮頚部扁
平上皮癌の肝転移巣より分離・精製された腫瘍関連抗原で、1977年
に加藤らが報告したTA-4と共通の抗原性を有する分子量45,000の蛋
白です。
等電点電気泳動においてSCC抗原は14の亜分画に分けられますが、
正常扁平上皮細胞では主に中性分画のみであるのに対して癌細胞で
は酸性分画が増加するとされています。

現在その測定に用いられているモノクローナル抗体は酸性分画によ
り強く反応し、癌特異性が高いと考えられます。

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赤血球像・赤血球所見

末梢血液塗沫標本により、赤血球の大きさ、形態、染色性、封入物
などを観察する検査です。各種貧血や、髄外造血などの血液疾患、
寄生虫の有無などを評価できます。

赤血球数やヘマトクリット、ヘモグロビン濃度から赤血球恒数が算
出されますが、あくまで平均値であり、大小不同や形態異常はわか
りません。実際に検鏡することで、具体的な病態に迫ることができ
ます。

たとえば赤血球が破壊される病態では、破砕赤血球がよくみられま
す。高度の貧血では赤血球の大小不同がみられ、赤芽球が末血に出
現します。赤血球の膜異常ではウニのような形態異常が、球状赤血
球症では中央のくぼみがない特徴的な形態が認められます。鉛中毒
では封入体が、マラリアやフィラリアなど寄生虫疾患では、稀に虫
体が検出される場合もあります。

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健康診断・血液検査MAPの新着記事
赤血球封入体・その他の異常
末梢血液塗沫標本で認められる赤血球封入体には、塩基性斑点・パッペンハイマー小体・ハウエル・ジョリー小体・マラリア原虫などがあります。
赤血球形態異常
末梢血液塗沫標本で認められる赤血球の形態異常で、破砕赤血球・球状赤血球・標的赤血球・涙滴赤血球・楕円赤血球などがあります。
マラリア原虫
血液塗抹標本上のマラリア原虫を検索し、感染の有無を診断する検査。
神経特異エノラーゼ(NSE)
肺小細胞癌、神経芽細胞腫、神経内分泌系腫瘍の診断と経過観察に有用な血中腫瘍マーカー。
馬インフルエンザ
馬インフルエンザは、家畜伝染病予防法で届出伝染病に指定されている感染症で、ヒトと同じオルトミクソウイルス科に属するウイルスでありA型に分類されています。
尿中肺炎球菌莢膜抗原測定
肺炎球菌莢膜抗体を利用した免疫学的抗原抗体反応による免疫クロマト法を用いて、肺炎球菌莢膜抗原を検出する。
クオンテイフェロンTB-2G
クオンテイフェロンTB-2Gは、結核菌特異蛋白刺激性遊離インターフェロン-γ測定による結核菌感染の診断補助を目的に開発された体外診断薬です。
CA19-9
膵癌、胆道癌をはじめとする各種消化器癌で上昇する血中腫瘍マーカー。血液型Lewis抗原の影響を受ける。
SPan-1抗原
膵癌をはじめとする消化器癌の血清腫瘍マーカー。良性疾患での偽陽性率が低いといわれる。
エラスターゼ1
膵癌で比較的早期から上昇する血中腫瘍マーカーだが、膵炎でも上昇をみる。
シアリルLeX-i抗原(SLX)
肺腺癌等、腺癌に有用な糖鎖性血中腫瘍マーカー。膵癌の鑑別においてはLewis血液型の影響を受けないとされる。
ロタウイルス抗原・抗体価
ヒトロタウイルス(HRV)はRNAウイルスであり、冬期に発生するウイルス性下痢症の中では最も重要な病原体です。
CDトキシンA クロストリジウム・ディフィシル抗原
抗菌薬投与中に発症する腸炎の主要な起炎菌。分離培養が困難なので、特異的毒素であるトキシン-Aを用いて迅速に同定。
ノロウイルス(SRSV)-RNA同定
カキ等貝類の生食で感染する食中毒の原因ウイルス。冬期に流行し、急性胃腸炎を起こすが、重症化はまれ。
主な測定法の概説S〜V
SBPA、SRID、TIA、TLC、TMA、TRAP、UV、VDRLについて簡単に説明しています。
主な測定法の概説P〜R
PA、PCR、PHA、PT法、RIA、RPHA等について簡単に説明しています。
主な測定法の概説L〜N
LA・LIFA・LPIA・MEIA・MPHA・NTについて簡単に説明しています。
主な測定法の概説G〜I
GC・GC−MS・HI・HPLC・IEP・IR・IRMAについて簡単に説明しています。
主な測定法の概説E〜F
ECLIA・EIA・FACS・FTA・FEIA・FISH・FPIAについて簡単に説明しています。
前立腺特異抗原 PSA
前立腺癌で著明に増加。前立腺肥大でも上昇するが、10.0ng/mlを越える場合には前立腺癌を強く疑う。
PSA F/T比
総PSAの軽度上昇を示す前立腺癌鑑別のグレイゾーン領域で、肥大症と癌を判別する検査。前立腺癌で低値。
PSA-ACT
α1-アンチキモトリプシンと結合している前立腺特異抗原。前立腺肥大症と癌の鑑別や、治療効果のフォローアップに適する。
遊離型PSA
前立腺特異抗原(PSA)と同時に測定し、その比をとることで前立腺肥大症と前立腺癌の正診率を向上できる新しい指標。
主な測定法の概説A〜D
APTT法、CLIA、CF、CLEIA、CPBA、DIP、dRVVTについて簡単に説明。
シアリルTn抗原(STN)
卵巣癌と再発性胃癌の血中腫瘍マーカー。卵巣癌全体では陽性率が低いものの、粘液性嚢胞腺癌では高値を示す
NCC-ST-439
膀癌、消化器系癌や肺腺癌、乳癌に有効な血中腫瘍マーカー。CA19-9などより癌特異性が高いとされている
PIVKA-U(ピブカU)
凝固第U因子の不全生成物。肝細胞癌に特異性の高い血中腫瘍マーカーで、AFPと相関が低く、独立した指標になる。
網状赤血球数(reticulocyte)
網状赤血球は赤血球の中で最も若いもので、赤芽球が成熟し脱核した1〜2日以内の赤血球です。
ヘマトクリット(hematocrit:Ht)
ヘマトクリット値(Ht)とは、血液中に占める赤血球の全容積をパーセントで表現した値です。貧血で減少し、多血症で高値をとなります。
レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)
コレステロールをエステル化する酵素。活性低下は脂質代謝異常の一因となるほか、鋭敏な肝機能の指標としても用いられる。
リン脂質(PL)
リン脂質(PL)は血中での脂質の安定化と代謝に重要な役割を果たすリポ蛋白の構成要素。肝・胆道疾患で異常値を示す。
遊離脂肪酸(NEFA)
脂質代謝異常の指標。脂肪組織中の中性脂肪分解と末梢での取り込みのバランスを反映するが、ホルモンや食事、ストレスの影響を受ける。
ヘモグロビン(hemoglobin:Hb)
血液中の血色素であるヘモグロビン量を測定する検査。貧血等の血液疾患のスクリーニング検査として用いられる。
赤血球数(red blood cell counts:RBC)
貧血、多血症の診断に用いられる基本的な検査。赤血球数は性別、年齢、採血部位、測定法などで差異がみられます。
癌胎児性抗原(CEA)
消化管の悪性腫瘍を中心に、もっとも汎用的に用いられる血中腫瘍マーカー。
AFPレクチン分画
肝細胞癌由来AFPを分別測定することで、肝細胞癌と肝硬変等とを鑑別する検査。肝細胞癌の早期診断と予後管理に有用。
αフェトプロテイン(AFP)
肝細胞癌で上昇する、本来は胎児肝細胞由来の血清腫瘍マーカー。肝炎や肝硬変でも軽度〜中等度に上昇をみる。
臓器別腫瘍マーカー
腫瘍マーカー(しゅようマーカー)とは、癌の進行とともに増加する生体因子のことです。主に血液中に遊離してくる因子を抗体を使用して検出します。
うつ病とうつ状態を起こしやすい疾患
種々の身体疾患や脳器質性疾患によってうつ病やうつ状態が生じることが知られています。
うつ病
うつ病とは、抑うつ気分が根底にあり、それに伴い意欲の減退や施行の障害を起こし、さらに多彩な身体症状を呈する障害です。
βクロスラプス(βCTx)
骨のI型コラーゲンの分解産物。骨吸収を反映する指標で、尿中濃度が測定される。
1α,25-(OH)2ビタミンD(副甲状腺)
最も生物活性が強いビタミンD。血中カルシウム濃度を上げる働きをもつ。
骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)
骨形成を担う骨芽細胞の活性度を反映する指標。他の尿中骨形成マーカーより日内変動が小さく、骨吸収抑制剤の治療効果判定に有用。
T型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx):骨粗しょう症
骨基質の分解産物。骨粗鬆症、原発性副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍の骨転移など、骨吸収が亢進する疾患の経過観察に有用。
デオキシピリジノリン deoxypyridinoline:DPD
デオキシピリジノリン(DPD)は、骨基質の主要構成成分である1型コラーゲンの分子間に架橋を形成しコラーゲン線維の安定化に寄与する「ピリジニウム架橋アミノ酸」の一つです。
骨塩定量(DIP)
骨塩定量(digital image processing:DIP)は第2中手骨のX線撮影像をコンピュータ処理して骨量を測定します。骨粗しょう症の診断に有用です。
骨粗しょう症(骨粗鬆症)
骨粗しょう症とは、「骨量が減少し、骨の微細構造の劣化により骨密度が減少し、骨折のリスクが増加した全身性の疾患」と定義。診断のための検査を紹介。
卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone:FSH)
卵胞刺激ホルモン(FSH)は、黄体形成ホルモン(LH)と共に下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンで、標的臓器である卵巣や精巣など性腺を刺激する作用をもちます。
黄体形成ホルモン(luteinizing hormone:LH)
黄体形成ホルモン(LH)はFSHとともに下垂体より分泌されるゴナドトロピンです。卵巣や精巣などの性腺を刺激して性腺機能を維持する働きがあり、LH-RHによる刺激と性ステロイドホルモンによるフィードバックによりコントロールされています。
エストリオール estriol:E3
エストリオールは水酸基を3個もつエストロゲン(女性ホルモンの一種)です。主要なエストロゲン、E1、E2、E3のなかで最も多量に尿中に排泄されるE1、E2の代謝産物。
エストラジオール estradiol:E2
エストラジオール(E2)は水酸基を2個もつエストロゲン(女性ホルモンの一種)で、子宮内膜、子宮筋に対する生物学的活性が最も強いステロイドホルモンです。
遊離サイロキシン FT4
サイロキシン(T4)においては、遊離型(FT4)の占める割合はおよそ0.02〜0.03%です。遊離型のみ生物活性をもつのでFT4を測定することは重要です
遊離トリヨードサイロニン FT3
遊離型(FT3)は総T3のほぼ0.2〜0.3%であり、遊離型のみ生理活性をもちます。また甲状腺ホルモンの中でT3は最も強い活性があります。
血清総サイロキシン(T4)
血清総サイロキシン(T4)は、甲状腺で合成されるホルモンで、生体の基礎代謝を高める機能をもつ。分子中にヨードを4分子もつ甲状腺(Thyroid gland)ホルモンであることからT4と呼ばれます。
トリヨードサイロニン(T3)
トリヨードサイロニン(T3)は総サイロキシン(T4)と共に甲状腺より分泌されるホルモンです。ともに基礎代謝を高める作用を有し、分子中にヨードを3分子もつためT3と呼ばれます。
甲状腺刺激ホルモン TSH
甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone:TSH)はαとβの二つのサブユニットからなる分子量28.3kDaの糖蛋白です。視床下部ホルモンであるTRHの分泌により刺激され、甲状腺ホルモンにより抑制を受けます。
サイログロブリン(Tg)
サイログロブリン(thyroglobulin:Tg)は分子量約660kDaの糖蛋白で二つのサブユニットよりなり、甲状腺濾胞細胞で合成され、甲状腺ホルモンの貯蔵型として、通常は甲状腺濾胞内に貯えられています。
サイロキシン結合グロブリンTBG
サイロキシン結合グロブリン(thyroxine-binding globulin:TBG)は主要な甲状腺ホルモン輸送蛋白です。T4の運搬、貯蔵や濃度変化に対する緩衝作用を担う分子量54,000Daの糖蛋白で、主に肝で合成されます。
TSHレセプター抗体 TRAb・TBII
TSHレセプターは分子量約100kDaの糖蛋白で、これにTSHが結合すると活性化されますが、このレセプターに対する自己抗体がバセドウ病で血中に認められます。
更年期障害の治療法HRTと漢方
更年期障害の治療法にはいくつかありますが、代表的なものとして女性ホルモン(エストロゲン)を「補充」する、ホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)と漢方療法があります。
更年期の症状と間違えやすい疾患
更年期障害の症状は、全身の300種類以上にのぼると言われていますが、これらの症状は更年期に特有といえないものもあり、他の原因によっても起こりえる症状も含まれています。
抗サイログロブリン抗体 Tg-Ab
サイログロブリンは甲状腺濾胞細胞に含まれる分子量約330kDaの糖蛋白で、これに対する自己抗体を抗サイログロブリン抗体といい、マイクロゾーム抗体と共に代表的な甲状腺の自己抗体です。
サイロイドテスト 抗サイログロブリン抗体
抗甲状腺自己抗体の一つである抗サイログロブリン抗体を粒子凝集試験(PA)で半定量する検査です。
マイクロゾームテスト 抗マイクロゾーム抗体
抗甲状腺自己抗体の一つである抗マイクロゾーム抗体を凝集反応で半定量する検査です。抗マイクロゾーム抗体は、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)に対する抗体です。
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 TPO-Ab
抗TPO抗体は細胞障害性があり、甲状腺組織の崩壊に伴う腫大(甲状腺腫)がみられる場合にまず測定される抗体です。バセドウ病の90%、橋本病のほぼ100%で抗TPO抗体が高値を示します。
アメーバ赤痢・赤痢アメーバ
赤痢アメーバは熱帯に多く分布する原虫で、経口または性交渉でヒトに感染し、下痢・粘血便をきたす。
梅毒ガラス板法・梅毒RPRテスト
性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査法。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。
梅毒TPHA法・梅毒FTA−ABS法
梅毒病原体(Treponema pallidum:TP)を抗原として用いる検査法。TPに対する特異抗体を検出する。 TPHA法、FTA−ABS法がある。
赤痢アメーバ検査
アメーバ赤痢をひきおこす原虫を糞便から検出する検査です。アメーバ原虫は、世界中に広く分布していますが、とりわけ熱帯、亜熱帯に多く経口的に感染が成立します。
白血球像・白血球分画(white blood cell differentiation )
末梢血液をスライドグラス上に塗沫し、染色鏡検することで、白血球の形態異常、あるいは種類の偏りを明らかにする、基本的な検査です。感染症や各種白血病、血液系の悪性腫瘍など様々な疾患の鑑別診断に有用です。
白血球数(white blood cell counts:WBC)
細菌や異物などが体内に侵入して起こる炎症や、白血病などの血液疾患の診断、経過観察に用いられるスクリーニング検査です。一般に白血球数は、炎症性疾患や血液系悪性腫瘍で増加し、骨髄抑制状態で減少します。
血小板数(PLT)
血小板は止血機構の中心を担う血球成分です。肝硬変では産生低下と分布異常、さらに自己抗体の影響を受け血小板が減少します。
STD−DNA同定セット(クラミジア・淋菌・HPV)
STDの代表格であるクラミジア、淋菌、ヒト・パピローマウイルス(HPV)を、遺伝子レベルで迅速かつ正確に同定する新しい検査法です。

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