レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)

コレステロールをエステル化する酵素。活性低下は脂質代謝異常の一因となるほか、鋭敏な肝機能の指標としても用いられる。

スポンサードリンク

レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)

LCATはレシチンのβ位の脂肪酸を主として遊離コレステロールに転
移させて、コレステロールエステルを生成する反応を触媒する酵素
です。血中コレステロールエステルの大部分がこの酵素により作ら
れています。

肝で合成され、HDLに結合して存在しており、アポAT蛋白により活
性化されます。またアポCT、アポAW、アポE、アポDにも弱いLCAT
活性化作用があります。HDL分子上でLCATにより生成されたコレス
テロールエステルは、コレステロールエステル転送蛋白(CETP)に
よりVLDLやLDLに転送されます。

LCAT活性の低下は、家族性LCAT欠損症、無あるいは低βリポタン
パク血症などの脂質代謝異常で認められます。また、LCATは肝でのみ
合成される酵素であることから肝の実質障害を反映し鋭敏な肝機能
検査の一つとなります。

検査材料:血清
基準値:単位(nmol/ml/h/37℃)55〜124
測定方法:自己基質法

高値を示す病態
 原発性高リポ蛋白血症、肥満、脂肪肝、原発性胆汁性肝硬変初期
 ネフローゼ症候群

低値を示す病態
 LCAT欠損症(常染色体性遺伝の先天性代謝異常で、角膜混濁、
 貧血、蛋白尿、を主要症状とする)、無β-リポ蛋白血症、Tangier病、
 低コレステロール血症、肝硬変、劇症肝炎、急性肝炎、肝癌、
 閉塞性黄疸、尿毒症

▽レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT) のキーワード

▽次の記事、前の記事

リン脂質(PL) | ヘマトクリット(hematocrit:Ht)

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAP:新着記事

新規保険収載 デングウイルス抗原定性
デングウイルス抗原定性検査は、国立感染症研究所が作成した「デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン」に基づきデング熱を疑う患者が、当該患者の集中治療に対応できる保険医療機関に入院を要する場合に限り算定できます。
DIC播種性血管内凝固の新診断基準 日本血栓止血学会2014
日本血栓止血学会は、厚生労働省DIC診断基準を修正したDIC診断基準暫定案を発表しました。アルゴリズムで、DICを「造血障害型」「感染症型」ならびに「基本型」の3つの病型に分けています。
新規糖尿病治療薬SGLT2阻害薬の効果と副作用
新規糖尿病治療薬sodium glucose co-transpoter2(SGLT2)阻害薬はインスリン作用を介さずに腎尿細管を標的とした薬剤です。
メタボロミクスによる癌診断
メタボロミクスは、有機酸、アミノ酸、脂肪酸、糖などの多種多様な低分子量代謝産物(メタボローム)を対象とした研究です。
膵グルカゴン 完全長膵グルカゴンを特異的に測定
完全長の膵グルカゴンを特異的に測定する研究検査項目です。
IgGサブクラスIgG2
IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。
後天性血友病 APTTクロスミキシング試験
後天性血友病インヒビターの存在を知る簡便な方法としてAPTTクロスミキシング試験があります。
血液検査で癌の早期発見ができる miRNA検査
たった1滴の血液から、13種類もの癌を早期に発見できる・・これまでの常識を覆す、画期的な検査方法がミクロRNA(miRNA)検査です。
認知症を予防する MCIスクリーニング検査とは
MCIスクリーニング検査 とは、軽度認知障害(MCI)の兆候を早期に発見できるバイオマーカーを使用した血液検査です。
LOXインデックス 脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク予測
LOX-index(ロックス・インデックス)は、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標です。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint