尿P/C比:尿中タンパク質/クレアチニン比

健診時に尿タンパクが2+以上であれば、その後末期腎不全(end stage renal disease:EARD)に至る危険度が1+以下の場合に比べて著明に高くなり、1+でもそれ以下(±または−)に比べて高くなります。

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尿P/C比:尿中タンパク質/クレアチニン比

尿P/C比は尿中のクレアチニン1gあたりのタンパク量です。
尿は体液バランスの状態によって簡単に濃縮・希釈されるため、試験紙での評価では、たんぱく尿の程度を正確に反映していません。「尿P/C比」は、尿中のクレアチニン1gあたりのタンパク量です。正常の人の尿中クレアチニン排泄量は、1日約1gであることから、推定1日尿たんぱく量を意味します。

外来での1日の尿タンパク量評価(蓄尿検査)が困難な場合、随時尿(時間を問わず、随時にとった尿)で推定1日の尿たんぱく量を評価し「尿P/C比」で程度を確認します。持続的にタンパク尿がある場合、尿P/C比0.3から0.5以上を常に認める場合は、精査(腎生検)が必要かどうかを検討します。

タンパク尿の測定には定性と定量があり、定性検査は通常試験紙を用いて行います。健診時に尿タンパクが2+以上であれば、その後末期腎不全(end stage renal disease:EARD)に至る危険度が1+以下の場合に比べて著明に高くなり、1+でもそれ以下(±または−)に比べて高くなります。
日本腎臓学会では試験紙法による尿タンパク2+以上が持続する場合、蓄尿で0.5g/dayまたは随時尿で0.5g/gクレアチニン以上が持続する場合を専門医への紹介の基準としています。

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