甲状腺ホルモン異常の病態 TSH正常または低値 FT4低値

TSH正常または低値、FT低値の場合は甲状腺ホルモン低下に対するTSH上昇というフィードバックが働いていない状態であり、下垂体・視床下部の病変による中枢性甲状腺機能低下症がまず考えられます。

スポンサードリンク

甲状腺ホルモン異常の病態 TSH正常または低値 FT4低値

TSH正常または低値、FT4低値の場合は甲状腺ホルモン低下に対するTSH上昇というフィードバックが働いていない状態であり、下垂体・視床下部の病変による中枢性甲状腺機能低下症がまず考えられます。視床下部性甲状腺機能低下症の一部ではTSHが軽度に上昇していることがあり、機能低下の頻度に比較してTSHの上昇が不十分な場合には疑う必要があります。

成人では下垂体、視床下部の腫瘍によることが多く、二次検査として下垂体・視床下部のMRI、CTによる画像検査を行い、TRH負荷試験によりTSHの分泌能や甲状腺ホルモンの反応性をみます。他の下垂体前葉ホルモン異常を伴っている場合があり、その評価も必要となります。
重症疾患患者や飢餓状態においては甲状腺機能に異常がなくてもホルモン(特にFT3)が低値となることがありnon thyroidal illnessまたはeuthyroid sick syndrome,LowT3症候群などと呼ばれます。この場合、TSHは正常または軽度低下、FT3が低値となり、さらに重症になるとFT4も低値を示します。甲状腺疾患と見誤らないことが重要です。

TSH低値、FT4高値
TSH低値、FT4正常
TSH高値、FT4低値
TSH高値、FT4正常
TSH正常または高値、FT4高値

▽甲状腺ホルモン異常の病態 TSH正常または低値 FT4低値 のキーワード

▽次の記事、前の記事

甲状腺ホルモン異常の病態 TSH低値 FT4正常 | 甲状腺ホルモン異常の病態 TSH高値 FT4低値

スポンサードリンク

健康診断・血液検査MAP:新着記事

新規保険収載 デングウイルス抗原定性
デングウイルス抗原定性検査は、国立感染症研究所が作成した「デング熱・チクングニア熱の診療ガイドライン」に基づきデング熱を疑う患者が、当該患者の集中治療に対応できる保険医療機関に入院を要する場合に限り算定できます。
DIC播種性血管内凝固の新診断基準 日本血栓止血学会2014
日本血栓止血学会は、厚生労働省DIC診断基準を修正したDIC診断基準暫定案を発表しました。アルゴリズムで、DICを「造血障害型」「感染症型」ならびに「基本型」の3つの病型に分けています。
新規糖尿病治療薬SGLT2阻害薬の効果と副作用
新規糖尿病治療薬sodium glucose co-transpoter2(SGLT2)阻害薬はインスリン作用を介さずに腎尿細管を標的とした薬剤です。
メタボロミクスによる癌診断
メタボロミクスは、有機酸、アミノ酸、脂肪酸、糖などの多種多様な低分子量代謝産物(メタボローム)を対象とした研究です。
膵グルカゴン 完全長膵グルカゴンを特異的に測定
完全長の膵グルカゴンを特異的に測定する研究検査項目です。
IgGサブクラスIgG2
IgGサブクラスIgG2検査はIgG2欠損症の診断、及び免疫グロブリン製剤の投与時に必要な検査です。
後天性血友病 APTTクロスミキシング試験
後天性血友病インヒビターの存在を知る簡便な方法としてAPTTクロスミキシング試験があります。
血液検査で癌の早期発見ができる miRNA検査
たった1滴の血液から、13種類もの癌を早期に発見できる・・これまでの常識を覆す、画期的な検査方法がミクロRNA(miRNA)検査です。
認知症を予防する MCIスクリーニング検査とは
MCIスクリーニング検査 とは、軽度認知障害(MCI)の兆候を早期に発見できるバイオマーカーを使用した血液検査です。
LOXインデックス 脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク予測
LOX-index(ロックス・インデックス)は、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標です。

Valid XHTML 1.0 Transitional Valid CSS! Lint