慢性心不全の診断

慢性心不全の診断は原因疾患の検索と心機能評価(収縮機能・拡張機能)によって行われます

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慢性心不全の診断

慢性心不全の診断は次のプロセスを経て行われます。
1)心疾患に基づく症状・所見の存在を診断、原因疾患の検索
・呼吸困難を主体とした自覚症状
自覚症状は、呼吸困難のほかに、低心拍出量を反映した倦怠感・
食欲不振・四肢冷感なども考えられる
・症状は心不全に起因しているか
a)左房圧上昇を示唆する所見:詳細な問診・身体的検査・胸部
X線検査・血漿BNP
b)他の疾患を除外:呼吸器疾患・貧血・甲状腺機能亢進症
過換気症候群・神経筋疾患など
2)心機能評価(収縮機能・拡張機能)
・収縮能は保たれているか :左室駆出率の測定は40〜50%が
基準値として用いられることが多い
a)心エコー法
b)RI心プールシンチグラム
c)心臓カテーテル法(左室造影法)
左室駆出率の低下が認められれば収縮不全と診断可能
正常または軽度低下であれば、拡張能評価を加える

●収縮機能不全の診断
左室駆出率:LVEF(Left Venticular Ejection Fraction)
左室造影像より次式で求めます
(左室拡張末期容積−左室収縮末期容積)/左室拡張末期容積×100(%)
左室駆出率の低下が認められれば収縮不全と診断可能

●拡張機能不全の診断
現在、拡張機能不全を簡便かつ低侵襲的に評価する方法は確立され
ていません。実際の臨床では以下の手順に従い、様々な指標をもと
に総合的に判断されます。
・臨床症状が心不全によるものか診断
・収縮機能が正常かを確実に診断
・拡張機能障害の存在を診断

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