鉄欠乏貧血:鉄の体内での動体

鉄欠乏貧血を疑うとき、体内鉄欠乏の所見を認めた場合や、鉄過剰を疑うとき血清鉄の測定は診断上有用な検査です。

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鉄欠乏貧血:鉄の体内での動体

体内に分布する鉄の総量は3〜5gに及び、その60〜70%はヘモ
グロビンに結合して赤血球に分布し、20〜30%は肝臓・脾臓・筋肉
および骨髄などの組織に、フェリチン・ヘモジデリンとして貯蔵されて
います。

鉄は食物(卵・レバー・ほうれん草など)として1日に10〜15mg
程度摂取され、その10%にあたる0.6〜1.5mgが主として胃
と上部小腸(十二指腸・空腸)から吸収されます。
食物中の鉄は胃酸によって3価の鉄イオンとして遊離し、吸収には胃
粘膜細胞中のフェリチンが吸収に大きな役割を果たすと考えられてい
ます。血中に吸収された鉄イオンはトランスフェリンと結合して全身
の組織に運ばれます。
鉄は1日約27mgが使われており、その75%は赤血球の新生に利
用されます。そのうち20mgはヘモグロビンの分解により供給され
ています。

鉄欠乏貧血を疑うとき、体内鉄欠乏の所見を認めた場合や、鉄過剰を
疑うとき血清鉄の測定は診断上有用な検査です。

血清鉄の基準値:M 54〜200F 48〜154(μg/dL) Nitroso-PSAP法

血清鉄が増加する場合
・多量の輸血
・腸管からの過剰鉄吸収
・溶血性疾患
・肝実質性障害

血清鉄が減少する場合
・腸吸収不良症候群
・慢性失血
・感染症、悪性腫瘍、膠原病
・トランスフェリンの減少

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