貧血の種類と血液検査

貧血は血液疾患のうち、出現頻度のもっとも高いものです。検診などの血液一般検査でヘモグロビン値の低下として認められます。またMCVとMCHCの組み合わせにより形態学的に貧血が分類されます。

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貧血の種類と血液検査

貧血は血液疾患のうち、出現頻度のもっとも高いものです。検診など
の血液一般検査でヘモグロビン値の低下として認められます。
貧血は原発性の血液疾患としてよりも、他の疾患に付随して出現して
くることも多く、貧血をきたした原因疾患の検索を行い、原因を除去
することが大切です。
貧血とは、言い換えれば診断名ではなく病態を示す用語と考えた方が
適切といえます。

基準値
WBC(白血球)3500〜9800(/μL)
RBC(赤血球)M410〜530 F380〜480(万/μl)
Hb(ヘモグロビン)M13〜17 F11〜15(g/dl)
Ht(ヘマトクリット)M40〜50 F35〜45(fl)
MCV 80〜102(fl)
MCH 26〜35(pg)
MCHC 31〜37(%)
PL(血小板)13.0〜37.0(万/μl)

この中でMCV・MCH・MCHCを赤血球指数(または恒数)とい
います。
MCV:個々の赤血球の大きさをflで表わしたもの
MCH:個々の赤血球に含まれる平均のHb(ヘモグロビン)量をpg
で表わしたもの
MCHC:個々の赤血球の平均のHb濃度を%で表わしたもの

このMCVにより小球性貧血・正球性貧血・大球性貧血に分類されます。
また、MCHCにより低色素性貧血・正色素性貧血・高色素性貧血に
分類されます。

MCVとMCHCの組み合わせにより形態学的に貧血が分類されます。
1)小球性低色素性貧血 MCV≦80 MCHC≦30
・鉄欠乏性貧血
・サラセミアなどのグロビン合成異常
・鉄芽球性貧血(特に遺伝性)
・無トランスフェリン血症
・感染、炎症、腫瘍に伴う貧血
2)正球性正色素性貧血 MCV=81〜100 MCHC=31〜35
・急性出血
・溶血性貧血
・骨髄の低形成(再生不良性貧血、赤芽球ろう、腎性貧血、内分泌疾患
骨髄への腫瘍浸潤)
3)大球性正色素性貧血 MCV≧101 MCHC=31〜35
・ビタミンB12欠乏症(悪性貧血など)
・葉酸欠乏および代謝異常
・DNA合成の先天的あるいは薬物による異常
・その他の巨赤芽球性貧血
・肝障害に伴う貧血
・網状赤血球増加(急性出血、溶血性貧血、貧血からの回復期)

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