放射線被曝 癌の発生時期と被爆線量

発癌リスクは線量が高くなるにつれて増加します。国際放射線防護委員会では、安全サイドに立ち100mSv以下においても癌リスクは線量に比例して増加すると考えています。

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放射線被曝 癌の発生時期と被爆線量

癌 は造血系の 癌 である白血病と肺癌・大腸癌・乳癌などの固形癌に分けられます。白血病は被曝後2〜3年経ってから発症が始り、7〜8年をピークとしてその後減少していきますが、固形癌は10年以上経ってから発症し、そのリスクはその後も続きます。
また、発癌リスクは線量が高くなるにつれて増加しますが、100mSv以下の線量では不確かさが大きく、癌リスク の増加は統計的に有意ではなくなります。

一般に線量率が低くなると放射線の影響は小さくなりますが、国際放射線防護委員会(international Commission on Radiological Protection:ICRP)では、安全サイドに立ち100mSv以下においても癌リスクは線量に比例して増加すると考えています。これをLNT仮説(L:linear NT:non-threshold 直線しきい値なし)と呼びます。この考えは、放射線による発癌のメカニズムが、放射線の直接ヒットによるDNAの2本鎖切断→切断部位の修復間違えによる突然変異や染色体異常の増加→癌遺伝子の異常→発癌という一連のイベントが1本の線に乗って説明可能であることに基づいています。しかし実際は、低線量域ではDNA損傷に対して修復力が働き、リスクが小さくなるという考えもあります。
ICRPは、1Sv(1,000mSv)の放射線に被曝した場合、生涯に癌で死亡する確率は5%増加すると計算しています。

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