ノロウイルス(SRSV)-RNA同定

カキ等貝類の生食で感染する食中毒の原因ウイルス。冬期に流行し、急性胃腸炎を起こすが、重症化はまれ。

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ノロウイルス(SRSV)-RNA同定

ノロウイルス(Norovirus)は、食中毒を起こすウイルスで、非細菌性急性胃腸炎患者の糞便中からしばしば検出されます。カリシウイルス科に分類され、直径は27〜32nmでロタウイルスの半分と小さく、その遺伝子は約7.6kbの1本鎖のプラスRNAです。

ノロウイルスという呼称は2002年に国際ウイルス分類委員会から勧告された比較的新しいもので、以前は「ノーウォーク様ウイルス(Norwalk-like virus:NLV)」、あるいは電子顕微鏡で観察される形態学的分類から、「小型球形ウイルス(small round structured virus-RNA detection:SRSV)」と呼ばれていました。

ノロウイルスの感染源は、生の牡蛎(かき)やハマグリなど貝類であり、主な伝播経路については次のように考えられています。海水と一緒にノロウイルスが貝類の鰓(えら)に入り、中腸腺細胞で補足濃縮されます。十分な加熱処理を加えずにこれらを食した場合に感染が成立します。牡蛎の生食は主に冬期間に行なわれるため、ノロウイルスの食中毒は10月から4月に多発します。しかしサラダやケーキが感染源とみられる報告も存在します。

ヒトが唯一の感受性のある動物であり、ノロウイルスには増殖させるための培養細胞系や実験動物系がありません。血清学的には多くのノロウイルスが存在するといわれていますが、形態学的に判別することはできません。検査にはELISA法による抗原検査と、PCR法によるDNA診断があります。

ノロウイルスは、感染成立後1〜2日の潜伏期を経て腹痛、下痢、嘔吐などで発症します。通常、血便はみられず、2〜3日間のうちに比較的軽症で寛解する場合が多い。最近、ノロウイルスの院内感染例が報告されており、検体の採取のみならず、患者の糞便、衣類等の管理には注意が必要です。

検査材料:糞便
基準値:検出せず
測定方法:RT-PCR法

陽性を示す病態
 ノロウイルス感染症

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