プロアドレノメデュリンproADM

プロアドレノメデュリン(proADM)は心血管系マーカーですが、さまざまな特性を有しており、感染症マーカーとしても期待されています。感染症診断や原因微生物診断には適しませんが、肺炎などで優れた予後予測能を示します。

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プロアドレノメデュリンproADM

アドレノメデュリン(ADM)は、1993年にわが国においてヒト褐色細胞腫組織中から単離・同定されたアミノ酸52個からなる生理活性ペプチドです。一酸化窒素やエンドセリンの産生亢進を介した強力な血管拡張作用を有し、その血中濃度は心不全患者の重症度に応じて増加することが知られています。ADM遺伝子は心血管系にとどまらず、神経系、泌尿生殖系、消化器系、呼吸器系など全身の組織で広範に発現しています。各臓器において、抗炎症作用・抗酸化作用を示すなど、免疫調整や代謝関連作用も含めた多彩な生理機能を発揮しています。

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TREM-1 感染症診断用バイオマーカーとしての有用性

細菌や真菌感染症では、食細胞膜のTREM-1の細胞外ドメインが切断を受けて血清。胸水、肺細胞洗浄液、尿、および脳脊髄液中に増加してくるため、sTREM-1を酵素免疫測定法
(enzyme linked immunosorbent assay:ELISA)で同定することが可能です。すでに数社からキット化され市販されています。
敗血症における血清中のsTREM-1の動態に関してはCRPおよびプロカルシトニン(PCT)の動態と比較した報告があります。敗血症患者血漿中における急性期のsTREM-1、CRP、PCTの定量値は全身性炎症反応症候群(SIRS)患者のこれらの値より高値を示しました。sTREM-1のSIRS患者血漿中の濃度平均が59.97pg/mLに対して敗血症患者では149.06pg/mLを示しました。しかし好中球減少症をはじめとした免疫細胞の減少を伴う疾患では、感染急性期の血清中sTREM-1濃度が有意に上昇しない可能性もあり注意を要します。

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炎症増強因子 TREM-1

TREM-1(triggering receptor expressed on myeloid cell-1)は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属しており、免疫関連細胞では好中球や単球/マクロファージ、骨髄由来樹状細胞、およびNK(natural killer)細胞の表面に高発現している受容体です。低発現細胞としては、T細胞および全てのおB細胞サブセットが知られています。
TREM-1はToll様受容体(toll-like receptor:TLR)を介した炎症反応を相乗的に増強することから、生体内の炎症を惹起し増強する因子と認識されています。
TREM-1の発現は、生体内で細菌感染症の存在下で特に増強されることが知られていますが、膵炎や炎症性腸疾患、痛風、関節リウマチなどの非感染性炎症性疾患でも増強します。また。グラム陽性菌やグラム陰性菌、真菌に感染した組織、皮膚、体液中でも劇的に増加します。これは、上皮細胞をはじめ、線維芽細胞、リンパ節、脊髄、肺、心臓、および胎盤などの免疫関連細胞以外においてもTREM-1が発現しているためです。

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