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透析アミロイドーシスは、長期にわたって血液透析を受ける腎不全患者に頻発する合併症であり、β2マイクログロブリン(β2-m)がアミロイド線維を形成します。また、全身性アミロイドーシスに属し、広範囲でアミロイド線維の沈着がみられますが、その多くは骨管節組織に沈着します。β2-m・アミロイド線維の沈着は、手根管症候群と呼ばれる手首の痛みや屈曲性障害を起こします。
長期血液透析患者においてβ2-m・アミロイド線維が形成される仕組みは、次のように考えられています。β2-mは定常的に代謝され、血中に放出されています。健常者では、血液中のβ2-mは腎臓の糸球体で原尿分画にろ過され、尿細管で再吸収され尿細管細胞で分解されます。しかし、腎臓が正常に機能しない患者では、この代謝が低下し血中β2-m値が著しく高くなります。また通常の透析膜では分子量約1万のβ2-mを十分に除去できないため透析治療を繰り返しても低下させることができません。
β2-マイクログロブリン(β2-m)は、分子量11,800の単鎖のポリペプチドで、HLA抗原クラスIのL鎖としてH鎖と非共有結合し、赤血球を除く全身の有核細胞表面に広く分布しています。特にリンパ球・単球などには豊富に存在して免疫応答に重要な役割を果たし、リンパ腫瘍(多発性骨髄腫など)や自己免疫疾患などで高値を示します。また、β2-mは体細胞から1日に150〜250mg程度血清中に放出されています。低分子量のため腎糸球体基底膜を容易に通過し、近位尿細管で大部分が吸収され、その後アミノ酸やオリゴペプタイドに異化されます。
血清β2-m値は糸球体濾過値の低下に伴い上昇するので、腎糸球体障害の指標として有用です。
なお、尿細管障害の際には、その再吸収・異化が障害されるため、また腎不全では糸球体からの排泄が障害されるために尿中への排泄が増加します。したがって尿中β2-mの測定は尿細管、とりわけ近位尿細管障害の指標として重要です。
インタクト1型プロコラーゲンNプロペプチド(Intact P1NP)は、1型コラーゲンの生成過程で骨芽細胞から血中に放出される代謝産物です。骨芽細胞から産生されるため、骨形成を早期から鋭敏に反映する骨形成マーカーとして期待されています。
Intact P1NPは1型プロコラーゲンが1型コラーゲンとしてコラーゲン繊維に組み込まれるときに生成します。また、1型コラーゲンは特に骨基質に局在することから血中のIntact P1NP濃度は1型コラーゲンの合成すなわち骨形成を反映すると考えられています。このことから骨粗鬆症における治療効果の判定および経過観察・診断の補助等に有用とされています。
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