高感度PTH(HS-PTH)

血中カルシウム濃度を上昇させるホルモン。副甲状腺疾患や骨疾患の鑑別に用いられる。

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高感度PTH(HS-PTH)

副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)は最も重要なカルシウム調節ホルモンであり、副甲状腺で115個のアミノ酸からなるpreproPTHとして合成され、90個のアミノ酸proPTHを経て84個のアミノ酸、分子量約9.5kDaのタンパクへと変換されるペプチドホルモンです。完全分子型である場合はPTHインタクトと呼ばれ、蛋白分解酵素によりN末端、C末端、中間部の三つのフラグメントに分解されます。

PTHはN末端に生理活性を有し、C末端フラグメントは生物学的には不活性ですが、血中半減期が長く安定です。一方、C末端フラグメントは腎より排泄されるので、腎不全例では排泄不良のため血中で高値をみることがありますが、インタクトはその影響を受けにくく、また生理的活性があるので現在では最もよく測定されたいます。ただし、不活化を防ぐために採血後ただちに冷却下で血漿を分離する必要があります。

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飲酒によるアルコールが脳に及ぼす影響・アルコール中毒

アルコール関連中枢神経障害(アルコール中毒)は、主に次のように分類されます。アルコールは中枢神経抑制作用があり、酩酊では大脳皮質・小脳が抑制され、急性アルコール中毒では大脳全体・脳幹も抑制されます。大脳皮質は感情などを抑制していますが、アルコールにより大脳皮質の機能低下(脱抑制)が起こるため、多弁・興奮などが見られます。中枢神経抑制作用のある薬剤と一緒にアルコールを飲むと、中枢神経抑制作用が増強されます。慢性アルコール関連中枢神経障害は、アルコールの毒性によるもの、慢性多量飲酒に伴うビタミン欠乏ないよるものがあります。アルコール離脱性痙攣はアルコール中毒の人が飲酒中止して起こるもので、てんかんの脳波はみられません。
1)急性アルコール関連中枢神経障害
・急性アルコール中毒
・アルコール関連失神
2)慢性アルコール関連中枢神経障害
・Wernicke-Korsakoff症候群
・ペラグラ
・橋中心髄鞘崩壊症
・アルコール性前頭葉萎縮
・アルコール性認知症
・アルコール関連不眠症
・アルコール性小脳変性症
・Marchiafava-Bignami病
・アルコール性脊髄症
・アルコール性弱視
3)アルコール離脱症候群
・アルコール離脱性痙攣
・振戦せん妄

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酒に強い遺伝子と弱い遺伝子(ALDH2)

アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)は、飲酒後エタノールが代謝されてできるアルデヒドを酸化して代謝する酵素です。ALDH2の欠損はALDH2遺伝子の点突然変異によるものと考えられており、対立遺伝子の組み合わせから、正常型ホモ接合体(NN型)、ヘテロ接合体(MN型)、変異型ホモ接合体(MM型)の3種類の遺伝子型が知られています。3種類のうちのどの遺伝子型を持っているかを調べることで、酒に強いか弱いかを判断することができます。正常型ホモ接合体は酒が飲めるタイプ、ヘテロ接合体は飲む事はできるがすぐ顔に出るタイプ、変異型ホモ接合体は全く飲めないタイプです。ALDH2欠損者においては、飲酒後、血中アセトアルデヒド濃度の上昇により、フラッシング反応(顔面紅潮、動悸、悪心、低血圧等)が見られます。日本人の約半数はMN型やMM型でALDH2が欠損しています。

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