α1アンチトリプシン(α1-AT)

血清中の代表的なプロテアーゼインヒビターであり急性相反応物質の一つ。欠損症で若年性肺気腫を引き起こす蛋白質

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α1アンチトリプシン(α1-AT)

α1-アンチトリプシン(α1-antitrypsin:α1-AT)は394個のアミノ酸からなる分子量約51,000の糖蛋白で、電気泳動上はα1グロブリン分画に泳動されます。血清中の代表的なプロテアーゼインヒビターであり、活性中心にセリンをもつ蛋白分解酵素(セリン・プロテアーゼ)一般を阻害する働きをもつ蛋白で、serin protease inhibitor superfamilyの原型蛋白とされています。トリプシン、キモトリプシン、トロンビン、エラスターゼなど広範なセリン・プロテアーゼを阻害しますが、主として好中球エラスターゼを阻害し、1対1で結合して組織障害の拡大を防ぐ役割を担っています。

α1-ATはC反応性蛋白(CRP)をはじめとする急性相反応物質(acute phase reactants)の一種で、組織の損傷や感染、急性の炎症に対して非特異的に急性相反応を誘起します。急性相反応物質にはα1-ATやCRPのほか、α1-AG、セルロプラスミン、ハプトグロビンなどが含まれます。急性・慢性感染症、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などにより組織障害が起こると、これらの産生が亢進し、血中濃度が上昇します。α1-ATは悪性腫瘍、特に肝癌・肺癌・白血病でも高値になり、一般に腫瘍の大きさや、転移の有無に相関するとされています。

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