偏頭痛で増加、尿中5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)

セロトニンの代謝物を測る中枢神経ホルモン検査。偏頭痛やカルチノイド症候群の診断に用いられる。

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偏頭痛で増加、尿中5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)

5-ハイドロキシインドール酢酸(5-HIAA)は神経伝達物質であるセロトニン(5-ハイドロキシトリプタミン:5-HT)がモノアミンオキシダーゼ(MAO)により代謝された物質です。セロトニンは中枢神経系の情動、知覚、自律機能に関与する一方、末梢組織では血管平滑筋の収縮、血小板凝集、消化管の機能調節などの多様な生理活性を持っており偏頭痛やカルチノイド症候群で増加が認められています。
セロトニンの90%以上は末梢臓器(腸管の腸クロム親和性細胞や血小板)に由来し、中枢神経におけるセロトニンは1〜2%にすぎません。さらに5-HIAAやセロトニンは脳血液関門(BBB)を通過しないため、血液や尿中に出るもののほとんどが末梢由来です。したがって血中、尿中のセロトニンや5-HIAAを測定することにより、消化管のセロトニン産生腫瘍であるカルチノイド症候群の診断が可能です。

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アルコールと脂質代謝・動脈硬化

アルコール摂取による脂質代謝において強く影響を受けるのは、トリグルセライド(TG)とHDLコレステロールです。LDLコレステロールは比較的変化しません。摂取されたアルコールはADHによるエタノール代謝の際に、NADHが産生され、ミトコンドリア内のNADHが過剰にとなり、NADH/NAD比が上昇すると、TCA(tricarboxylic acid:トリカルボン酸)サイクルが抑制されることにより、アセチルCoA(acetyl-coenzymeA)が蓄積します。その結果、脂肪酸分解が抑制されます。またアセチルCoAは脂肪酸合成促進にも利用され、アセチルCoAの蓄積が脂肪酸合成促進と分解抑制の両者に関与しており、脂肪酸が増加しVLDLとして血中に放出されトリグリセライドが上昇します。

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アルコール飲酒による高尿酸血症・痛風

アルコール摂取が尿酸値を上昇させることはよく知られています。アルコールを毎日飲む人は痛風の危険度が2倍上昇し、特にビールを飲む人は頻度が高いとされています。アルコール飲料中のプリン体含有量としては、通常のビール1缶(350ml)当り12〜25mg、紹興酒では180ml当り21mg、地ビールで330ml当り19〜55mg含まれます。我が国において成人男性の約20%が高尿酸血症を呈し、その1%が痛風を発症しています。
プリン体とは、生物が存在するために必要なエネルギー(ATP、GTPなど)や核酸(DNA、RNA)の原料となる重要な物質です。プリン体の代謝は、肝臓での生合成と食事からの摂取の2つの経路が存在し、ヒトではプリン体は分解・異化され、最終的には尿酸となり腎臓から排出されます。
高尿酸血症の病型としては、尿酸の産生が亢進している場合を産生過剰型、尿酸の腎排泄が低下している場合を排出低下型、両者とも存在する場合を混合型といいます。日本人の場合排泄低下型が60%と多く、混合型は30%、産生過剰型は約10%と少ない。

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