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腎機能を評価する方法はいくつか知られていますが、最も標準的なものは糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)です。腎臓の最も基本的な働きは血液を糸球体で濾過することであり、これによってできる濾液の量(GFR)が腎臓の機能指標としてふさわしいと考えられます。濾過により血中の中分子から低分子のものが血管内から水とともに濾過されて血管外(ボーマン腔〜尿細管)へ排出されます。濾液は尿細管を通過する間に体にとって必要なもの(水・ナトリウム・カリウム・重炭酸など)は再吸収されますが、不必要なもの(老廃物)は再吸収されない、もしくは十分再吸収されず、場合によっては逆に尿細管へ分泌されたりしながら尿中に濃縮された状態で体外に排出されます。GFRは腎臓の他の機能(酸塩基平衡・エリスロポエチンの産生・ビタミンDの活性化など)とおおむね良く相関します。
GFRの測定法としては腎クリアランス法・血漿クリアランス法が主に用いられます。イヌリン・イオタラメートなどを用いた腎クリアランス法は正確にGFRが測定できる反面、定時的な尿採取が必要、持続的な点滴静脈注射が必要、手技が煩雑、放射線被爆などの欠点があります。クレアチニンクリアランスは尿細管からの分泌があり、正確にGFRを反映しないことはよく知られています。シスタチンCについては現在、測定の標準化が行われており、今後クレアチニンに代わるマーカーとなりうるのかどうかの検討が行われています。血漿クリアランス法は尿採取もなく測定は容易ですが、体格によっては正確でない、放射線被爆などの欠点があります。また、これらとは別に腎シンチグラフィーで体外的に測定する方法もありますが、かなり不正確です。
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