抗GAD抗体

膵島由来分子に対する自己抗体。IDDMの発症予知、スクリーニングやNIDDMとの鑑別に有用。

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抗GAD抗体

グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)は、γ-アミノ酪酸(GABA)をグルタミン酸から合成する酵素です。主に脳内に存在していますが、膵β細胞にも多く含まれている分子量64kDaの蛋白です。GABA自体はインスリン合成や膵島細胞のホルモン分泌調整を担っています。

抗GAD抗体は、膵島由来の分子量64kDaの蛋白に対する自己抗体としてstiff-man症候群患者において発見されました。同患者がインスリン依存性糖尿病(IDDM)を合併することが多いことから、IDDMの発症に抗GAD抗体が関与していると考えられています。

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抗IA-2抗体

IA-2(insulinoma‐associated protein-2)は、1992年にRabinらによって発見された受容体タイプの蛋白で、979個のアミノ酸で構成されています。「チロシンフォスファターゼ類似蛋白ファミリー」の一つであり、膵β細胞で発現が確認されています。IA-2とは別個にクローニングされたICA512とは、同じ物質であることが後に判明したため、「ICA512/IA-2抗体」ともいわれます。

IA-2は膵島の蛋白であるため、糖尿病と関連が深く、実際、多くの1型糖尿病患者の血清中に、IA-2に対する自己抗体の存在が確認され、新しいマーカーとして注目されるようになりました。すなわち抗IA-2抗体は、抗GAD抗体やICAなどと共に主要な膵島関連自己抗体の一つとして位置付けられています。とくに抗IA-2抗体は、1型糖尿病の発症前より血中に出現することがあるため、1型糖尿病の発症予測に有用なマーカーと考えられています。

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ケトン体分画(静脈血)

ケトン体はアセト酢酸(AcAc)、3-ヒドロキシ酪酸(3-OHBA)、アセトンの3種類の物質から構成され、本検査はその中でケトアシドーシスなどの診断に重要な、アセト酢酸と3-ヒドロキシ酪酸の2物質を分画定量するものです。アセトンは健常人血中にはほとんど認められませんが、産生された場合には、揮発性のため呼気中にケトン臭として観察されます。

ケトン体は脂肪酸がβ酸化されたものであり、さまざまな筋肉で利用されますが、一般に血中濃度が高値になる要因は利用低下よりも、肝での脂肪酸酸化によるケトン体生成亢進によるものが多い。たとえば摂取栄養量の低下により体脂肪を動員する場合のように、エネルギー代謝が脂肪酸に偏った状態は、肥満患者の治療に低エネルギー食を施行した際にみられます。また1型糖尿病(IDDM)における、インスリン欠乏によるブドウ糖利用の低下、脂肪酸動員の亢進状態でも増加し、速やかにインスリンを投与するなどの処置が必要です。

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