低カルボキシル化オステオカルシン/ucOC - 血清中の低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)の測定は、骨におけるビタミンKの不足状態を反映し、骨粗しょう症の治療でのビタミンK2剤選択時の補助的指標として有用です。

低カルボキシル化オステオカルシン/ucOC

オステオカルシン(osteocalcin:OC)は、骨芽細胞により産生される分子量約6,000のビタミンK依存性のカルシウム結合タンパク質で、骨形成に必須です。オステオカルシン分子内のグルタミン酸残基がγ-カルボキシグルタミン酸残基に変換されたものは、活性
型オステオカルシンと呼ばれ、活性型のみがカルシウムを骨に蓄積できることが知られています。
骨のビタミンKが不足すると、グルタミン酸残基(Glu)がγ-カルボキシグルタミン酸残基に変換(Gla化)されないため、骨基質に取り込まれず低カルボキシル化オステオカルシン(undercarboxylated osteocalcin:ucOC)として血中に放出されます。
血清中の低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)の測定は、骨におけるビタミンKの不足状態を反映し、骨粗しょう症の治療でのビタミンK2剤選択時の補助的指標として有用です。

検査材料:血清
基準値:カットオフ値 4.5(ng/ml)
測定方法:ECLIA

・血清中ucCO高値は、大腿骨頸部骨折のリスク因子です。大規模プロスペクティブコーホート研究(EPIDOS Study)により
1)75歳以上の一般健康女性7,598人について、血清中ucOC濃度、大腿骨頸部骨密度等を調査。
2)22ヶ月間追跡調査したところ124人に大腿骨頸部骨折が発症。
3)大腿骨頸部骨折患者104人と年齢対応コントロール255人を選択して解析。
その結果、一般の高齢女性においても、血清中ucOCの増加は、大腿骨頸部骨折リスクの増加に関係することが明らかになりました。この関係は大腿骨骨密度とは独立して認められ、大腿骨頸部骨密度が低値で、かつ血清中ucOCが高値である女性は、大腿骨頸部骨折リスクが非常に高いことも明らかになりました。(海外データより)

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