酒に強い遺伝子と弱い遺伝子(ALDH2) - アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)がないと悪酔いする。このALDH2欠損の有無を判別する簡単な方法に、エタノールパッチテストと簡易フラッシング質問紙法があります。

酒に強い遺伝子と弱い遺伝子(ALDH2)

アルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)は、飲酒後エタノールが代謝されてできるアルデヒドを酸化して代謝する酵素です。ALDH2の欠損はALDH2遺伝子の点突然変異によるものと考えられており、対立遺伝子の組み合わせから、正常型ホモ接合体(NN型)、ヘテロ接合体(MN型)、変異型ホモ接合体(MM型)の3種類の遺伝子型が知られています。3種類のうちのどの遺伝子型を持っているかを調べることで、酒に強いか弱いかを判断することができます。正常型ホモ接合体は酒が飲めるタイプ、ヘテロ接合体は飲む事はできるがすぐ顔に出るタイプ、変異型ホモ接合体は全く飲めないタイプです。ALDH2欠損者においては、飲酒後、血中アセトアルデヒド濃度の上昇により、フラッシング反応(顔面紅潮、動悸、悪心、低血圧等)が見られます。日本人の約半数はMN型やMM型でALDH2が欠損しています。

このALDH2欠損の有無を判別する簡単な方法に、エタノールパッチテストと簡易フラッシング質問紙法があります。
・エタノールパッチテスト
1)テープに少量のガーゼを貼り、ガーゼを消毒用アルコール(70%)で湿らす。
2)ひじ関節とワキの中間など、皮膚のやわらかいところに貼る。
3)7分経ったらテープをはがす。
4)テープをはがしてから約10分後に反応をみる。
貼った部分が赤くなっていればALDH2欠損の目安になります。(皮膚が赤くなるのは、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドが分解されないで残っているという判断による。)
・簡易フラッシング質問紙法
1)現在、ビールコップ1杯程度の少量飲酒ですぐ顔が赤くなる体質がありますか。
2)飲み始めた頃の1〜2年間はビールコップ1杯程度の少量飲酒ですぐ顔が赤くなる体質がありましたか。
と質問し「はい」「いいえ」「わからない」で答えてもらいます。1)2)いずれかが「はい」であればフラッシャーと判定します。

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