消化管関連ホルモン コレシストキニン - コレシストキニン(cholecystokinin:CCK)は小腸の上部約2/3に分布するI細胞から分泌されるペプチドホルモンで、食物が酸とともに十二指腸に移行してきた際に、トリグリセライド・脂肪酸・アミノ酸やペプチドが刺激となって分泌されます。

消化管関連ホルモン コレシストキニン

コレシストキニン(cholecystokinin:CCK)は小腸の上部約2/3に分布するI細胞から分泌されるペプチドホルモンで、CCK-33(33個のアミノ酸)をはじめCCK-39、CCK-58、CCK-8などがあります。食物が酸とともに十二指腸に移行してきた際に、トリグリセライド・脂肪酸・アミノ酸やペプチドが刺激となって分泌されます。CCKは、内分泌ホルモンとしてCCK-A受容体に結合して膵外分泌を促進し、かつ胆嚢の収縮やoddi括約筋の弛緩によって胆汁を排出させ、セクレチンとともに十二指腸をアルカリ化します。
CCK高値を示す疾患として急性膵炎があります。CCKの受容体は2種類あり、CCK-A受容体は膵腺房細胞、β細胞、胆嚢、胃底腺n主細胞、D細胞などに存在しており、CCKに親和性が強くガストリンにはほとんど結合しません。これに対してガストリン/CCK-B受容体はCCKとガストリンに対する親和性がほぼ等しく、これはCCKとガストリンのC末端5個のアミノ酸が共通しているためです。

したがってCCKは壁細胞のガストリン/CCK-B受容体にも結合して酸分泌を起こしうるのですが、CCK-A受容体を介したD細胞由来のソマトスタチンによる酸分泌抑制が強く、生体での酸分泌作用は弱いとされています。
CCKは中枢神経系に多量に存在し満腹感などに関連しているとされています。また、CCK-A受容体はコリン作動性神経や一次求心性神経の末梢にも存在し、神経機能を調節します。CCKは不安性障害統合失調症の発病に関連し、脳に多いCCK-4はガストリン/CCK-B受容体を介して不安性障害をもたらすことが知られています。不安性障害の患者は健常人よりもCCK-4に対する感受性が高く、また、パニック障害ではガストリン/CCK-B受容体遺伝子プロモーター上流領域にある複合short tandem repeat(STR)によるサイズ多型が関連しているとされています。さらにCCK-A受容体のプロモーター領域の点突然変異が血中レプチンインスリンの上昇を引き起こし肥満の原因となることが知られています。

基準値:空腹時血中濃度 7.0〜18.8 pg/mL

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