胃食道逆流症 逆流性食道炎 症状と重症度 - 胃酸や十二指腸液が、食道に逆流することで、食道の粘膜を刺激し粘膜にびらん・炎症を引きおこします。重症度は内視鏡によるロサンゼルス分類が用いられています。

胃食道逆流症 逆流性食道炎 症状と重症度

胃食道逆流症(Gastroesophageal Reflux Disease:GERD)の主なものに逆流性食道炎があります。胃酸や十二指腸液が、食道に逆流することで、食道の粘膜を刺激し粘膜にびらん・炎症を引きおこします。
・症状
1)胸焼け、みぞおちや上胸部痛などが起こる
2)食事中・後、横になったとき、前屈したときに喉や口に胃酸が逆流する
3)胸部違和感、不快感
4)喉の違和感、声のかすれ、咳
5)腹部膨満感
6)嘔吐・多くは過度のげっぷを伴う。
・原因、要因
1)ストレス・過飲過食・飲酒
2)食道下部括約筋の弛緩:喫煙や加齢による機能低下
3)食道裂孔ヘルニア
4)妊娠・肥満・便秘・運動による腹圧の上昇

・重症度は内視鏡によるロサンゼルス分類が用いられています。
Grade N:正常粘膜
Grade M:明らかな糜爛や潰瘍がなく、発赤だけを認めるもの
Grade A:粘膜障害が粘膜ひだに限局し、5mm以内のもの
Grade B:粘膜障害が粘膜ひだに限局し、5mm以上で相互に癒合しないもの
Grade C:複数の粘膜ひだにわたって癒合し、全周の75%を超えないもの
Grade D:全周の75%以上にまたがるもの
・予防と治療
1)就寝時には頭部を15cmほど高くすると、胃酸が食道に逆流するのを防げます。
2)脂質やチョコレートなどの特定の食べもの、喫煙、抗コリン作用薬、一部の抗うつ薬、カルシウム拮抗薬、硝酸塩など特定の薬は、下部食道括約筋が弛緩する傾向を強める作用があるので、避ける必要があります。
3)コーヒー、アルコール、そのほか胃酸の産生を強く促すような物質や、消化の悪い食べものも避けるようにします。
4)下部食道括約筋がしっかり閉じるよう、ベタネコールやメトクロプラミドなどのコリン作用薬が処方されることがあります。

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