睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査と治療 - 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、その結果、日中傾眠などの種々の症状を呈する疾患の総称です

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査と治療

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、その結果、日中傾眠などの種々の症状を呈する疾患の総称です。一晩7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸があり、そのいくつかはnon-REM期にも出現するもの、またはAI=≧5(回/時間)であるときをいいます。無呼吸(apnea)は10秒以上の気流の停止、AI(apnea index)は無呼吸指数で睡眠1時間あたりの無呼吸の回数です。

●睡眠時無呼吸症候群の特徴
身体的特徴:肥満・あごが小さい・扁桃肥大
主訴:いびき・無呼吸・日中の傾眠・起床時の頭痛・夜間頻尿
合併しやすい疾患:高血圧・心疾患・糖尿病・多血症・不整脈

●睡眠時無呼吸の分類
1)閉塞型(Obstructive Sleep apnea:OAS)
睡眠中に気道が閉塞して気流が停止するもので、無呼吸の間でも胸壁と腹壁の呼吸運動が認められるが、動きは互いに逆になるという奇異運動を示す
2)中枢型(Central Sleep apnea:CSA)
呼吸中枢の機能異常によりREM期を中心とした睡眠中に呼吸筋への刺激が消失して無呼吸となる
3)混在型(Mix Sleep apnea)
中枢型無呼吸で始まり、後半になって閉塞型無呼吸に移行する場合が多い。閉塞型無呼吸の一つとして分類されることが多い。

一般的には閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)が多く、その原因としては肥満に伴う上気道軟部組織への脂肪沈着・扁桃肥大・巨舌症・鼻中隔彎曲症・アデノイド・小顎症・上気道筋の活動度の低下があります。

●睡眠時無呼吸の検査
1)昼間の眠気の評価:Epworthの眠気テスト(ESS)
・座って読書をしているとき
・テレビを見ているとき
・公の場所で座って何もしないとき(たとえば劇場や会議)
・1時間続けて車に乗せてらっているとき
・状況が許せば、午後になって休憩するとき
・座って誰かと話をしているとき
・昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っているとき
・車中で、交通渋滞で2〜3分止まっているとき
上記の項目について(0:眠くならない。1:まれに眠くなる。2:しばしば眠くなる。3:よく眠くなる。)合計点数が11点以上でハイリスク群とする。

2)スクリーニング検査:パルスオキシメーター
夜間睡眠時の酸素飽和度を記録し、酸素飽和度低下指数(ODI:SpO2低下回数/時間)や90%未満低下によりOSASの存在を疑診します。
パルスオキシメーター

3)ポリソムノグラフィー:PSG
PSGは睡眠状態をトータルに評価する検査です。簡易検査の項目に加え、脳波や筋電図・眼球の動きなどを測定することで、睡眠の深さ(睡眠段階)、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率などを呼吸状態の詳細とあわせて、定量的に算出します。
ポリソムノグラフィー

●OSASの治療法
1)CPAP:経鼻的持続陽圧呼吸法
CPAPは鼻マスクを介して、一定の陽圧の空気を送り込み、上気道を広げます。
2)マウスピース
3)外科的手術:咽頭・扁桃・アデノイド切除
4)薬物療法

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