癌スクリーニング AICS値の意味と指導コメント - AICS検査は、癌のリスクを評価する検査です。リスクとは、確率・可能性・危険性などと呼ばれるもので、癌であるか否かをはっきりと判断するものではありません。

癌スクリーニング AICS値の意味と指導コメント

AICS(AminoIndex Cancer Screening:アミノインデックス癌スクリーニング)検査は、癌のリスクを評価する検査です。リスクとは、確率・可能性・危険性などと呼ばれるもので、癌であるか否かをはっきりと判断するものではありません。AICS検査は、それぞれの癌について、癌のリスクを0.0〜10.0の数値(AICS値)で報告します。この数値が高いほど、癌のリスクが高くなります。
AICS検査では、特異度80%と特異度95%のときの値を使い、癌のリスクを3つのランクに分けて表示します。ランクA・ランクB・ランクCの順でリスクが高くなります。この時の特異度80%とは、健康な人の80%がこの数字以下となるという値です。
AICS検査は、採血を行った時の癌リスクを評価するもので、生涯に渡ってのリスクを予測するものではありません。定期的な検査が必要となります。

・各ランクに対する指導コメント
1)すべてランクA:今回の検査では、癌のリスクは低いと考えられます。通常の癌検診を受けてください。
2)いずれかがランクB:ランクBであった癌種について、通常の生活をされている方より癌のリスクが約1.5倍程度高いことになります。通常の癌検診を受けてください。
3)いずれかがランクC:ランクCであった癌種について、癌のリスクは高いと考えられます。精密検査を受けてください。
※通常の癌検診とは以下に挙げる対策型癌検診にPSA検査を加えたものを指します。
胃癌:胃X線検査
大腸癌:便潜血反応(免疫法)
肺癌:胸部X線検査と喀痰細胞診併用法
子宮頸癌:細胞診
乳癌:視触診とマンモグラフィー
前立腺癌:PSA検査(対策型癌検診ではありませんが、一般的に用いられる検査であるため通常の癌検診に加えてあります)

・複数の癌種でランクCであった場合
報告書では、同時に複数の癌種に関する結果が表示されますが、各癌種については独立な結果と考えて、ランクCであったすべての癌種について精密検査が必要となります。

・AICSはランクCで、精密検査では陰性だった場合
早期癌でもアミノ酸パターンの変化があることが知られています。AICSでランクCであっても、癌がまだ小さくて精密検査でもわからない場合があります。翌年(肺は進展が早いので半年後)に、再度精密検査を受診されることを強くお勧めします。
また、以下の疾患に罹患している場合は、AICS値が高値(陽性率が20%以上)になることが知られています。
1)AICS(肺):慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、肺非結核性抗酸菌症、肺結核
2)AICS(前立腺):前立腺肥大
3)AICS(子宮・卵巣):子宮筋腫、子宮内膜炎、良性卵巣腫瘍

癌にならないためには生活習慣に気を付けることも大切です。特に喫煙と食生活は癌の罹患に密接な関係があるとされています。公益財団法人がん研究振興財団のHPに「がんを防ぐための新12か条」が公表されていますので参考にしてください。

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