尿の比重 - 尿の比重から、濃縮能や希釈能を推定し、腎機能を診断する検査

尿の比重

尿比重は、尿中に溶けている全溶質の濃度を示す指標です。腎にお
ける尿の濃縮・希釈能を反映し、脱水状態で尿濃縮が正常に行われ
ていれば、比重は上昇します。逆に尿崩症で尿濃縮に支障をきたし
ている場合には低値となります。

尿比重では、常に尿量と対比させ、他の定性試験の結果を参照しな
がら病態を判定する必要があります。
健常人においても尿比重は常に変動し、水分摂取量、食事の成分、
運動負荷、発汗、季節などの環境因子など多くの因子の影響を受け
ます。

このため、随時尿1回だけの測定値によって病態を診断することは
一般に困難です。必要に応じてFishberg濃縮試験(水分摂取制限を
科して尿が濃縮されるかみる検査)などを行います。

測定方法:屈折計法
基準値:1.002〜1.030

高値を示す病態
 脱水症、高度の糖尿、高度の蛋白尿、造影剤の混入

低値を示す病態
 水分過剰摂取、利尿剤投与時、腎性尿崩症、真性(中枢性)尿崩
 症、腎実質障害(糸球体腎炎、腎盂炎、水腎症など)

健康診断・血液検査MAP