尿中塩基性フェトプロテイン(BFP) - 尿路上皮癌、特に膀胱癌に有用な癌マーカー。

尿中塩基性フェトプロテイン(BFP)

塩基性フェトプロテイン(basic fetoprotein:BFP)は、1974年石
井により見出された塩基性の癌関連胎児性蛋白です。

血清中BFPは、CEA(癌胎児性抗原)と同様に「broad-spectrum」な
(臓器特異性の低い)腫瘍マーカーとしてすでに広く用いられてい
ますが、他方で尿中BFPが尿路上皮癌、とりわけ膀胱癌の有用なマ
ーカーになることが明らかになってきました。
実際、尿中に出現するBFPは血中から移行したものではなく尿路上
皮細胞に由来することから、尿路系疾患に対して高い特異性を有す
ると考えられます。

尿路上皮癌は、比較的頻度の高い疾患であるにも拘わらず、確立さ
れた生化学的マーカーに乏しい状態が続いていました。また尿細胞
診も、膀胱癌の大多数を占める乳頭状癌における陽性率が極めて低
いという難点が指摘されています。
尿中BFPの測定は、これら検査法の限界を補う新たなマーカーとし
て膀胱癌のスクリーニング、および治療モニタリングに有用と期待
されています。

なお、BFPは白血球中にも存在し時間経過とともに放出されること
から、採尿時、肉眼的に沈渣が認められる場合、一定時間静置後の
上清部分を検体とします。直ちに検査しない場合は安定化剤入りの
専用容器に移注し、2〜10℃にて冷蔵保存します(凍結状態では速
やかに失活するため、保存時、凍結してはならない)。膀胱炎合併時
の判定は慎重を期すべきです。

検査材料:尿
測定方法:LA(ラテックス凝集比濁法)
基準値:単位(ng/ml) 10以下

高値を示す病態
膀胱癌、尿道癌、尿管癌、膀胱炎

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