乳酸 - LDHによりピルビン酸から産生される解糖系の最終代謝産物。乳酸アシドーシスで高値に。

乳酸

乳酸(lactic acid)はαヒドロキシ酸の一つで、解糖系代謝経路の最終産物であるLDH(乳酸脱水素酵素)の作用によりピルビン酸からNADHにより還元されて産生されます。乳酸は酸塩基平衡に大きな役割を果たしています。通常、乳酸/ピルビン酸の比はほぼ10:1に保たれていますが、生体内のNADHによる酸化が障害されると上昇し、高乳酸血症を起こします。

血中乳酸濃度が18mg/dl以上となり、血液のpHが酸性側に傾いた場合は乳酸アシドーシスと呼ばれます。乳酸アシドーシスをおこす原因となるものには、組織循環不全による低酸素血症によるものと、糖尿病や肝不全などの代謝性のものの二種類があります。

・エルゴメーター負荷試験
エルゴメーターを用いて15ワット、10分間で運動負荷し、前、中、後で採血し乳酸、ピルビン酸濃度を測定する。ミトコンドリア異常による脳筋症ではピルビン酸、乳酸ともに上昇し、乳酸/ピルビン酸比も上昇する。

検査材料:除蛋白上清 (0.8N過塩素酸と血液を等量混合。十分撹拌し3,000rpm、5分間遠心後、その上清液を分離する)
測定方法:酵素法
基準値:単位(mg/dl)3.7〜16.3(空腹安静時)

・高値を示す病態
乳酸・ピルビン酸増加:循環不全、貧血、肝障害、尿毒症、糖尿病、ミトコンドリア異常症
ピルビン酸上昇、乳酸低下:lactate dehydrogenase欠損

・低値を示す病態
phosphoglycerate kinase欠損phosphoglycerate mutase欠損

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