遊離脂肪酸(NEFA) - 脂質代謝異常の指標。脂肪組織中の中性脂肪分解と末梢での取り込みのバランスを反映するが、ホルモンや食事、ストレスの影響を受ける。

遊離脂肪酸(NEFA)

血中の遊離脂肪酸(non-esterified fatty acid:NEFA)は、パル
ミチン酸(C16:0)からエイコサペンタエン酸(C20:5)までが主
で、とくにオレイン酸、リノール酸の比率が大きい。血中での代謝
は早く半減期は1〜2分といわれています。

NEFAは血中の総脂肪酸の4〜5%量に過ぎませんが、アルブミンと結
合して存在し、末梢組織の重要なエネルギー源となっています。
血中のNEFA濃度は、脂肪組織からの放出と、肝、心、骨格筋、腎へ
の取り込みとのバランスによって決定されます。NEFAの放出は、ホ
ルモン感受性リパーゼによるTGの分解と、脂肪組織内の脂肪酸の再
エステル化との差によって調節されます。

食事、運動、ストレスなどの影響を受けやすく、カテコールアミン
等のホルモンにも影響されます。採血は早朝安静空腹時に行なうの
が望ましく、測定も採血後すみやかに行なう。

検査材料:血清
基準値:単位(mEq/l)0.10〜0.90
測定方法:酵素法

高値を示す病態
 糖尿病、急性膵炎、重症肝障害、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫
 クッシング症候群、末端肥大症

低値を示す病態
 インスリノーマ、甲状腺機能低下症、汎下垂体機能低下症、
 アジソン症

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