α1アシドグリコプロテイン α1AG - CRPをはじめとする急性相反応物質の一種。急性・慢性感染症、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などにより産生が亢進し、血中濃度が上昇します。

α1アシドグリコプロテイン α1AG

α1アシドグリコプロテイン(α1AG)は、C反応性蛋白(CRP)をはじめとする急性相反応物質(acute phase reactants)の一種です。急性相反応物質とは、組織の損傷や感染、急性の炎症に対して非特異的に急性相反応を誘起する物質の総称で、α1AGやCRPのほか、α1アンチトリプシン(α1AT)、セルロプラスミン、ハプトグロビンなどがあります。急性・慢性感染症、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などにより産生が亢進し、血中濃度が上昇します。また、α1AGには、プロゲステロンと結合し、失活させる作用が知られています。
α1AGは、血清蛋白の一種で、電気泳動上α1分画中に認められる分子量約4万の糖蛋白です。糖含有量がきわめて多く、重量の約4割近くを占めています。5本ある糖鎖の分子量は約2400〜3100で、それぞれ異なる糖鎖構造をとっており、末端にはシアル酸が付着しています。

α1AGは主として肝臓で合成され、一部は単球、リンパ球、多核白血球で合成されます。IgGやアルブミンなどに比べ血中半減期は短く、正常成人血清中のα1AGの半減期は約5.2日です。シアル酸含有量が多くなると半減期はさらに短くなり、急性相反応期では異化速度の亢進がみられますが、産生がそれ以上に亢進するため血中濃度は上昇します。

測定方法:ネフェロメトリー法
検査材料:血清
基準値:単位(mg/dl)42〜93
α1AGには、午後10時から午前8時頃に低値を示す日内変動があるといわれていますが、その機序は明らかではありません。

・高値を示す病態:炎症性疾患(急性・慢性感染症、悪性腫瘍、自己免疫疾患、膠原病、アレルギー性疾患)、心筋梗塞 など
・低値を示す病態:肝臓での合成障害(肝硬変、慢性肝炎、低栄養状態など)、体外への喪失(ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症など)

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