抗カルジオリピン抗体IgG - 自己免疫性疾患型の抗カルジオリピン抗体は血栓症状と相関を示しており、APSの診断検査のひとつになっています。

抗カルジオリピン抗体IgG

カルジオリピンは主にミトコンドリア内膜に多量に存在する負に帯電したリン脂質です。リン脂質に対する抗体(anti-phospholipid antibody:aPL)は、自己免疫性疾患の患者血清中で高率に認められる自己抗体で、この抗体によって引き起こされる一連の疾患群を、抗リン脂質抗体症候群(APS)と呼び、抗カルジオリピン抗体は代表的な抗リン脂質抗体です。
梅毒などの感染症で検出される抗カルジオリピン抗体は、リン脂質そのものを認識する抗体で、自己免疫疾患で検出される抗カルジオリピン抗体は、カルジオリピンに結合したβ2グリコプロテイン1(β2GP1)に新たに出現した構造を認識する自己抗体です。

感染症型の抗カルジオリピン抗体は、血栓症との相関は認められませんが、自己免疫性疾患型の抗カルジオリピン抗体は血栓症状と相関を示しており、APSの診断検査のひとつになっています。

検査材料:血清
測定方法:EIA
基準値:単位(U/ml)10.0未満

・高値を示す病態
全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、進行性全身性硬化症(PSS)、混合性結合組織病(MCTD)、多発性筋炎(PM)、皮膚筋炎(DM)、抗リン脂質抗体症候群(反復性流産・子宮内胎児死亡、全身の動・静脈血栓症などがみられる)

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