性行為感染症検査
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2007-10-06T16:06:42Z
性行為感染症(STD)の確定診断に必要な検査を紹介しています。
Movable Type 3.35
梅毒ガラス板法・梅毒RPRテスト
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.128
2007-10-06T16:03:07Z
2007-10-06T16:06:42Z
性行為感染症(STD)として広く知られる梅毒の検査法。生物学的偽陽性や治癒後の陽性持続が存在する。
梅毒トレポネーマと交叉抗原性を有する脂質カルジオリピンに対す
る抗体を検出する検査法です。発見者の名前をとり、一般にワッセ
ルマン反応といわれます。感度に優れ、比較的早期から陽性にな
る反面、生物学的偽陽性には常に留意が必要です。
1)ガラス板法
cardiolipin-lecithin抗原で感作したコレステリン粒子と患者血清
をガラス板上で混和し、凝集塊の有無を顕微鏡で観察する検査。
2)RPRテスト(Rapid Plasma Reagin Test)
cardiolipin-lecithin抗原を吸着させた炭素粒子と、患者血清とを
混和してできる凝集塊の有無を肉眼で観察する検査で、サークルカ
ード・テストとも呼ばれる。
※生物学的偽陽性反応(BFP:biological false positive reaction)
肝疾患、ウイルス感染症、自己免疫疾患などで非特異的に抗体が産
生される結果、抗カルジオリピン抗体保有者となり、梅毒に感染し
ていないにもかかわらず陽性反応を示すことがあります。これを生
物学的偽陽性反応と呼び、確定診断にはTPHAやFTA−ABS法
を併用します。
梅毒の疑われる患者では、3〜4週後に再検査を行い、抗体価の変
動を見る必要があります。特に感染初期や、不完全な治療を施した
症例では、経過を追って検査が必要になります。また、血清梅毒反
応が陰性でも感染直後であれば、患者血清には感染力があり、取り
扱いには注意が必要です。
基準値:(−)
高値を示す病態
梅毒、生物学的偽陽性(自己免疫疾患、肝疾患、抗リン脂質抗体症
候群ではSTS陽性となることがある)
梅毒TPHA法・梅毒FTA−ABS法
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.127
2007-10-06T15:58:28Z
2007-10-06T16:02:35Z
梅毒病原体(Treponema pallidum:TP)を抗原として用いる検査法。TPに対する特異抗体を検出する。
TPHA法、FTA−ABS法がある。
梅毒病原体(Treponema pallidum:TP)を抗原として用いる検査
法。TPに対する特異抗体を検出する。
1)TPHA法
血球に梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させた感作
血球がTP抗体によって血球凝集反応を起こすもの。
2)FTA−ABS法
スライドに梅毒病原体Treponema pallidumの菌体成分を吸着させ、
TP抗体を間接蛍光抗体法で検出するもの。
いったん抗体を獲得すると、TPHAやFTA−ABSでは、ほぼ
生涯にわたり長期間陽性となるため、梅毒の既往を知るには有用で
す。その反面、治癒後も陽性を保つため治療効果の判定には、ST
S(脂質抗原法)の方が適しており、治療が奏効すると低下します。
現在、梅毒の血清診断には多くの施設がSTSとTPHAを併用し
ています。
通常は、まず感染10日後頃にIgM抗体が産生され、第1期の終
わり頃にはSTSやFTA−ABSが陽性となります。
次いで、TPHAが陽転し、治療後はSTSが陰性化してもTPH
A、FTA−ABSは陽性が続きます。これを血清学的瘢根といい
ます。しかし、最近の感染報告では、一度に侵入する菌量が多いた
め、STSとTPHAが同時に陽性となる例も多いといいます。
梅毒の疑われる患者では、3〜4週後に再検査を行い、抗体価の変
動を見る必要があります。特に感染初期や、不完全な治療を施した
症例では、経過を追って検査が必要になります。また、血清梅毒反
応が陰性でも感染直後であれば、患者血清には感染力があり、取り
扱いには注意が必要です。
基準値:(−)
高値を示す病態
梅毒
らい、マラリア、レプトスピラ症などで偽陽性を示すことがある。
赤痢アメーバ検査
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.126
2007-10-06T15:49:21Z
2007-10-06T15:57:47Z
アメーバ赤痢をひきおこす原虫を糞便から検出する検査です。アメーバ原虫は、世界中に広く分布していますが、とりわけ熱帯、亜熱帯に多く経口的に感染が成立します。
アメーバ赤痢をひきおこす原虫を糞便から検出する検査です。アメ
ーバ原虫は、世界中に広く分布していますが、とりわけ熱帯、亜熱
帯に多く経口的に感染が成立します。さらに最近、先進国を中心に
男性同性愛者の性交渉で感染が広がっています。
腸管寄生虫病が蔓延している流行地に滞在の後、下痢、粘血便を呈
する症状がみられた場合、アメーバ原虫に感染したことが疑われる
ため検便が必要です。
最近はHIV感染に伴う免疫能低下症例にアメーバ原虫が見つかる
ことも稀ではありません。
・赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)
栄養型は急性期の粘血便中にみられ、大きさ20〜30μm、円形
または西洋梨子状で、偽足を出して一方向に活発に運動します。
強く光を屈折する透明な外肉と顆粒状の内肉とを判別することがで
きます。内肉中には偏在する円形の核を有し、染色標本でクロマチ
ンに富む核膜と、中心に核小体を認め、しばしば血球を入れている。
他種アメーバの栄養型は運動に方向性なく動きも鈍く、赤血球を貪
食することはありません。シストは大きさ11〜14μmの正円形
成熟シストでは4個、幼若シストでは1〜2個の核と索状の類染色
体とを有し、赤痢アメーバ感染症の慢性期に見られます。
陽性を示す病態:赤痢アメーバ感染症]]>
単純ヘルペスウイルス (herpes simplex virus:HSV)
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.125
2007-10-06T15:39:13Z
2007-10-06T16:12:02Z
単純ヘルペスウイルスは、DNAウイルスで1型(HSV−1)と2型(HSV−2)の2亜型に分けられています。
単純ヘルペスウイルスは、DNAウイルスで1型(HSV−1)と
2型(HSV−2)の2亜型に分けられています。
1型(HSV−1):主として上半身に感染することから、一般的
に「口唇ヘルペス」といわています。初感染の90%は不顕性といわ
れますが、顕性の場合小児期では歯肉口内炎、思春期では咽頭扁
桃腺炎として発症することが多い。初感染後のあと終生神経節に潜
伏し再発性口唇ヘルペスとして発症を繰り返すことがあります。
2型(HSV−2):主として下半身に感染することから「性器ヘル
ペス」ともいわれ性行為感染症(STD)の重要な疾患の一つで
す。しかし、STDとしては1型による初感染の方が症状が重い。
他に角結膜炎やヘルペス性皮膚炎、脳炎などをおこすこともありま
す。また性器ヘルペスの母体から垂直感染で生まれた児は重篤な全
身性感染を呈することがあり、致命率も高いとされています。
HSVの特徴は、初感染後体内に持続感染(潜伏感染)することで
す。初感染の多くは不顕性感染で、顕性・不顕性を問わず初感染後
は三叉神経節、仙骨神経節に潜伏感染し、疲労・妊娠・怪我・熱性
疾患その他の原因によってウイルスが再活性化されると、口唇周辺
や陰部など特定の皮膚部位に水疱を生じます(回帰性ヘルペス)。
HSV感染症の診断法には、ウイルスを直接証明する抗原検査と血
清抗体の上昇によって診断する抗体検査とがあります。
抗原検出法は、ウイルス分離をはじめ、病変部より得た細胞中の
HSV抗原を蛍光抗体法(FA)を用いて証明する方法やモノクロー
ナル抗体を用いたシェル・バイアル法がありこの方法は特異性が
高い。
また遺伝子検査としてin situ ハイブリダイゼーション、PCRな
どによる方法があり、ヘルペス脳炎、新生児ヘルペス感染症など
の早期治療により救命率を上げることが期待されています。
抗HSV抗体の測定法として、EIA法は感度が高くまたIgG、IgM
抗体の分別測定も可能です。中和法はEIA法に比べ感度的には落
ちますが特異性は高くなります。また中枢神経疾患の場合EIA法
のIgG捕捉法が有用であり、その特性から目的に応じて使い分けら
れます。
血清学的検査は、主として初感染の診断に有用ですが、中枢神経感
染の診断や感染HSVの型別推定にも応用されています。
基準値
・単純ヘルペスウイルス
4倍未満:CF法(補体結合反応)
・単純ヘルペスウイルスDNA
陰性(−):PCR
・単純ヘルペスウイルス 抗原
1型陰性(−)2型陰性(−):シェル・バイアル法
・単純ヘルペス ウイルスIgG、IgM
10倍未満:FA(蛍光抗体法)
・単純ヘルペス ウイルスIgG
2.0未満:EIA
・単純ヘルペス ウイルスIgM
0.80未満:EIA
異常値を示す疾患・病態
適応疾患
ヘルペス性角結膜炎、ヘルペス性食道炎、肝炎、口唇ヘルペス、
新生児ヘルペス、神経炎、性器ヘルペス、脊髄炎、脳炎、流産・
死産・奇形
淋菌同定DNA(PCR法)
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.120
2007-10-03T15:09:08Z
2007-10-03T15:12:49Z
淋菌同定DNA(PCR法)は、淋菌に特異的な遺伝子を用いて、尿(初尿の方が検出率が高い)または患部のぬぐい液から直接検出し、同定するものです。
淋菌は、今日わが国の性行為感染症(STD)の主要な起因菌の一
つです。
淋菌感染症は、自覚症状を欠く不顕性感染のまま長期に経過するこ
とも多く、患者のパートナーや新生児への二次感染の原因となります。
さらに慢性感染により男性では副睾丸炎や前立腺炎、女性で卵管炎・
骨盤腔内炎、不妊症に至る例も報告されています。したがって、淋菌
感染症の的確な診断は、二次感染や病態の進展防止のうえで極めて
重要です。
従来、淋菌の同定にはグラム染色や培養法が行われてきましたが、
淋菌は冷蔵、冷凍にはきわめて弱い上、体外では死滅しやすいため
通常の細菌と比較して検出が困難でした。このため過去には偽陰性
となった検体も多かったものと推定されます。
淋菌同定DNA(PCR法)は、淋菌に特異的な遺伝子を用いて、
尿(初尿の方が検出率が高い)または患部のぬぐい液から直接検出
し、同定するものです。本法は同様の遺伝子検出法であるDNAプ
ロープ法よりも高感度かつ特異性が高く、従来困難であった初尿検
体からの検出も可能になっています。また、ぬぐい液においては、
ドライスワブを採用しており、被検者の自己採取による検体採取が
可能です。
したがって本検査法は、淋菌感染症の臨床診断に、現状ではもっと
も有用な手段と考えることができます。ただしコンタミネーション
による偽陽性を避けるため、検体は混入等が起こらぬよう厳格に管
理する必要があります。
検査材料:初尿 または ぬぐい液
基準値:検出せず
測定方法:PCR
陽性を示す病態
淋菌感染症(尿道炎、膀胱炎、膣炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵管炎
骨盤内炎、不妊症等の原因となる)
淋菌同定DNA(液相ハイブリダイゼーション)
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.119
2007-10-03T15:06:09Z
2007-10-03T15:08:27Z
淋菌抗原をDNAプローブを用いた液相ハイブリダイゼーション法により検体から直接淋菌を検出するものです。
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)感染症は抗生物質などの治療法の
発達にもかかわらず、現在でも最も多い性行為感染症(STD)の
一つです。抗体検査はあまり行われていません。従来からグラム染
色や培養法が行われてきましたが、淋菌を培養して分離・同定する
検査は、体外では菌が死滅しやすいため通常の細菌と比較して困難
でした。
本検査は淋菌抗原をDNAプローブを用いた液相ハイブリダイゼー
ション法により検体から直接淋菌を検出するものです。
液相ハイブリダイゼーション法は、淋菌に特異的な遺伝子を検出す
るため偽陽性が少なく、直腸スワブ検体のようなものでも測定が可
能です。また、1本の検体でクラミジア・トラコマティスDNAの
同時測定も可能なため、患者に対する侵襲も少ないという利点があ
ります。
大量の血液混入があると、測定結果に影響を与え偽陰性となる場合
があります
検査材料:ぬぐい液
基準値:陰性(−)(300 RLU未満)
測定方法:液相ハイブリダイゼーション
性を示す病態
淋菌感染症(尿道炎、膀胱炎、膣炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵管炎
骨盤内炎、不妊症等の原因となる)
STD−DNA同定セット(クラミジア・淋菌・HPV)
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.118
2007-10-03T15:01:18Z
2007-10-03T15:05:23Z
STDの代表格であるクラミジア、淋菌、ヒト・パピローマウイルス(HPV)を、遺伝子レベルで迅速かつ正確に同定する新しい検査法です。
性行為感染症(Sexually Transmitted Disease, STD)の患者数は
近年増加が著しく、特に10〜20歳代の若年層での蔓延が進行し
ています。本検査は、その代表格であるクラミジア、淋菌、ヒト・
パピローマウイルス(HPV)を、遺伝子レベルで迅速かつ正確に
同定する新しい検査法です。
一見、自覚症がまったくない状態でも、これらの病原体の感染を受
けている個体は、HIVをはじめとするさらに深刻な感染症に罹患
する確率が高いため、早期に発見しパートナー(一人とは限らない)
も含めた加療の重要性が指摘されています。
本検査は、以上3種類のSTD病原体を、特異的DNAを用いたハ
イブリッドキャプチャー法で、同時かつ高感度に検出するものです。
1本の頸管スメアで、同時に3種の同定が可能なため、患者の負担
が少ないことが長所といえます。この検査で陽性であれば、実際患
部に病原体が存在することを示し、加療によって消失すれば陰性化
します。しかし核酸検査共通の問題として、死菌でも陽性になるこ
とがあるため注意を要します。また陽性・陰性いずれの判定にあっ
ても、適切に検体が採取されることが大前提です。
検査材料:ぬぐい液
基準値:陰性(−)index 1.00 未満
測定方法:ハイブリッドキャプチャー法
陽性を示す病態
クラミジア・トラコーマチス感染症及び淋菌感染症、子宮頸管炎、
骨盤内感染症(子宮内感染、卵管炎、骨盤腹膜炎)、ヒトパピロー
マウイルス感染症、子宮頸部癌
HPV−DNA同定
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.116
2007-10-01T16:01:40Z
2007-10-01T16:06:23Z
性行為感染症(STD)起因ウイルスの一つ、ヒト・パピローマ・ウイルス(human papiloma virus:HPV) 感染を、DNAの同定により判定する検査です
性行為感染症(STD)起因ウイルスの一つ、ヒト・パピローマ・
ウイルス(human papiloma virus:HPV) 感染を、DNAの同定に
より判定する検査です。HPVは尖圭コンジローマ、子宮頸部癌な
どの一因とされるウイルスですが、DNA型により病原性の程度が
異なるため、本検査では低リスク型群と中・高リスク型群に分けて
判定が行われます。
HPVは、皮膚や生殖器粘膜における尖圭コンジローマ、子宮頸部
癌・外陰癌の発生に関与することで知られるパポーバウイルス科の
DNAウイルスです。
HPVはゲノムの相同性の程度によって70種類以上の型が同定さ
れていますが、組織より分離されるHPVの型と病変の間には密接
な関連があります。
尖圭コンジローマのような比較的良性な腫瘤性病変を惹起する“低
リスク型”と癌組織に高率に検出され病変の悪性化に関与する“中
あるいは高リスク型”の二群に大別されます。したがって、HPV
感染の診断に際しては単にウイルスの存在のみならず、それが両群
のいずれであるかの鑑別が重要とされます。
低リスク型は、6、11、42、43、および44型を、中・高リスク型では、
16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、および68型の
いずれかのHPVが存在した場合に検出されます。
これらの存在が直ちに組織の悪性度を示すものではありませんが、
中・高リスク型が検出された場合は、将来悪性化しやすいことを示
唆しており、細胞診やコルポスコピーなども含めたより厳重なfollow
upが望まれます。また皮膚科領域のBowen病とその類縁疾患
では39、52型が関与しているとされています。
検査材料:患部ぬぐい液
基準値:陰性(−)index 1.00未満
測定方法:ハイブリッドキャプチャー法
低リスク型:6,11,42,43および44型のHPVを検出(型別判定は
できません)
中〜高リスク型:16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,
59,および68型のHPVを検出(型別判定はできません)
陽性を示す病態
ヒト・パピローマ・ウイルス感染症(尖圭コンジローマ、子宮頸部
癌・外陰癌、Bowen病とその類縁疾患の発生に関与する)
クラミジア・トラコマチスDNA
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.114
2007-09-30T13:55:36Z
2007-09-30T14:01:03Z
C.トラコマチス特有のプラスミドDNAをPCR法(polymerase chain reaction)によりDNAを増幅し、特異的
DNAプローブ法で検出する方法です。
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)感染症は性
行為感染症(STD)の代表的なもので、尿路感染症や不妊症の原因
となる病原体です。
本検査法は、C.トラコマチス特有のプラスミドDNAをPCR法
(polymerase chain reaction)によりDNAを増幅し、特異的
DNAプローブ法で検出する方法です。
従って、臨床材料から直接C.トラコマチスを検出でき、特異性、感
度共に優れ、しかも短時間で検出できます。
特に無症候性のC.トラコマチス感染症のスクリ-ニング検査として
有効性が高いとされています。
1本の検体より淋菌DNAとの同時検出、鑑別が可能であるため、
混合感染の診断にも有用です。
検査材料:部分尿・分泌物(ぬぐい液)
基準値:陰性(−)
測定方法:PCR
陽性を示す病態
トラコーマ、封入体性結膜炎(新生児)、肺炎(新生児)、鼻咽頭
炎、直腸炎
クラミジア・トラコマチス抗体IgA ・IgG
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.113
2007-09-30T13:52:41Z
2007-09-30T13:55:27Z
検査法には患部から擦過検体あるいは尿を採取する抗原系の検査と血清中の免疫抗体を測定する抗体検査があり、本検査ではクラミジア・トラコマティス特異的なIgG、IgA抗体を測定します。
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)感染症は性
行為感染症(STD)の主要なものの一つで、尿路感染症や不妊症の
原因となります。最近ではSTDや非淋菌性尿道炎の半数以上がクラ
ミジア感染症という報告もあります。
検査法には患部から擦過検体あるいは尿を採取する抗原系の検査と
血清中の免疫抗体を測定する抗体検査があり、本検査ではクラミジ
ア・トラコマティス特異的なIgG、IgA抗体を測定します。
検査材料に血清を用いる事で、擦過検体を主に用いる抗原検査と比
較し検体採取が容易であるという利点があります。また抗原検査に
みられる検体の採取部位や採取方法によりバラツキの出る可能性も
少ないとされています。
一般的なウイルスなどの感染症では、感染初期にIgM抗体が認めら
れ早期感染が証明されますが、クラミジア感染症では症状が顕著で
ないため、時期的にIgM抗体の検出の機会を逃す場合が多い。さら
にクラミジア感染症は増殖が活発な時期と一致してIgA抗体が認め
られることから、活動や感染性の指標としてはIgA抗体の測定が用
いられます。またIgA抗体が陰性化するまで治療を行なう場合も多
く、IgG抗体価により感染の既往を診断することも可能です。
本抗体検査は精製クラミジア外膜抗原を用いているため、非特異的
反応は少ないが交差性試験ではC.psittaciで25%、C. pneumoniae
では3%の交差が認められます。
検査材料:血清
基準値:陰性(−)
測定方法:EIA
陽性を示す病態
クラミジア・トラコマチス感染症(特に治療の指標、感染の既往の
診断に用いられる)
・IgA陽性:活動性あり
・IgG陽性:感染の既往あり
クラミジア・トラコマチス同定(ぬぐい液)
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.112
2007-09-30T13:48:50Z
2007-09-30T13:52:31Z
クラミジアに特異的なモノクローナル抗体によるEIA法検査で、病原体であるC.trachomatisの抗原を直接検出します。
クラミジアに特異的なモノクローナル抗体によるEIA法検査で、
病原体であるC.trachomatisの抗原を直接検出します。
この検査ではクラミジア・トラコマチスの15種類の株(A、B、Ba、
C、D、E、F、G、H、I、J、K、L1、L2、L3)の検出が可能ですが、
C.psittasiおよびC.pneumoniaeとも反応し、交叉反応による偽陽性
の可能性が存在します。
妊婦を対象に行った調査では、全体の約6%からクラミジア抗原が
検出され、特に若い世代では陽性率が高く、20歳台前半では約9
%、20歳未満では約20%に達したという報告もあります。
男性では、非淋菌性尿道炎(NGU)の40〜50%に検出されます。
淋菌との混合感染も約30%存在し、淋菌治療後の尿道炎(PGU)
の原因となります。また、若年層の副睾丸炎の約50%がクラミジア・
トラコマチスによるといわれています。
検査法としては、直接抗原を検出することが基本ですが、子宮附属
器炎などのPID(骨盤内炎症性疾患)や卵管性不妊症など、病巣
からの抗原採取が困難な場合は抗体測定を実施します。
検査材料:ぬぐい液(専用の綿棒で採取した上皮細胞)
なお、男性では初尿検体でも検査可能です。
基準値:陰性(−)
測定方法:EIA(発色増感法)
陽性を示す病態
クラミジア・トラコマチス感染症
(尿道炎、副睾丸炎、子宮頸管炎、骨盤内感染症をひき起こす)
トラコーマ、封入体性結膜炎(新生児)、肺炎(新生児)、鼻咽頭
炎、直腸炎