ウイルス性肝炎検査
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2007-09-24T13:09:38Z
ウイルス性肝炎(ウイルスせいかんえん)とは肝炎ウイルスが原因の肝臓の炎症性疾患のことをいいます。日本での肝炎の原因のほとんどはA型、B型、C型でその肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査です。
Movable Type 3.35
HCVジェノタイプ
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.102
2007-09-24T13:07:30Z
2007-09-24T13:09:38Z
HCVのジェノタイプ分類は地域別、疾患別のHCV型の頻度、感染源や感染経路の推定にも役立ち、C型慢性肝炎の病態把握、特にインターフェロン(IFN)の治療効果の予測の上で重要な因子です。
HCVのジェノタイプ分類は地域別、疾患別のHCV型の頻度、感
染源や感染経路の推定にも役立ち、C型慢性肝炎の病態把握、特に
インターフェロン(IFN)の治療効果の予測の上で重要な因子です。
C型肝炎ウイルス(HCV)は単鎖のRNAウイルスであり、エラー
修復機能を持たないため遺伝子変異を起こしやすいとされています。
HCVは塩基配列の相同性により、数種類の遺伝子型(ジェノタイ
プ)に分類され、一般にT型(1a)・U型(1b)V型(2a)・W型
(2b)の4種類、またはこれにX型(3a)・Y型を加えた6種類の
型に分類されます。 なおX型・Y型はまれであるため、通常検査は
行われません。
一般に、V型は1b型に比べてインターフェロンに反応しやすいとい
われていますが、これはウイルス量の多寡によるものとも考えられ
ています。すなわち1b型は一般にウイルス量が多く、このためにイ
ンターフェロン反応性が良くないといわれていますが、投与直後に
はウイルス量がかなり減少することも珍しくはありません。
我が国でのHCV−RNA陽性供血者やC型慢性肝疾患患者に関す
る統計では、サブタイプの頻度は1b型>2a型>2b型の順で多く、1a
型は非常に少ない。また、1b型と2a型、1b型と2b型の混在例もみら
れます。
実際的なHCV感染例における遺伝子型の頻度は、第二世代HVV
抗体陽性者305例中、1a型 0%、1b型 66%、2a型 22%、2b型 11%、
混在型 1%でした(Okamotoによる)。
なお、ウイルスRNA量が少ない場合には、検出限界未満として
「検出せず」と報告されます。
測定方法:RT−PCR法
HCV群別(グルーピング)
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.101
2007-09-24T13:05:14Z
2007-09-24T13:07:09Z
C型肝炎ウイルスの遺伝子型を簡便に判定する検査。グループ1はグループ2よりもインターフェロンが奏功し難い。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、塩基配列とアミノ酸配列の相同性
により現在少なくとも6つのグループに分類されています。日本に
おいては2つのグループ(グループ1、グループ2)に大別され、
さらにそれぞれ2つのサブタイプ(1a・1b・2a・2b)に分類可能と
されています。
HCVは、グループによりインターフェロン(IFN)治療に対す
る感受性が異なると報告されていることから、HCV群別(グルー
ピング)はC型慢性肝炎にIFN治療において、治療効果の予測や
方針決定の指標として有用と考えられます。
HCV群別(グルーピング)は、NS4領域の抗原性が遺伝子型に
より異なることから、これらに対する特異抗原(C14-1・C14-2)を
用いて血清学的にHCVを2つのグループに分類します。
本検査では遺伝子型ジェノタイプT、Uがグループ1に、ジェノタイ
プV、W型がグループ2に分類されます。
近年、HCVのインターフェロン(IFN)治療効果がHCVの遺
伝子型に大きく左右されることがわかり、治療を行う上で遺伝子型
を知ることが重要になってきました。本検査では、グルーピングを
行うことで遺伝子型の簡便な推測が可能となります。日本において
はC型肝炎患者の60〜70%をジェノタイプU型(グループ1)が
占めるといわれ、IFN治療が奏効しにくい型として知られています。
一方、ジェノタイプV、W型(グループ2)はIFN治療の予後が良
好とされていますが、日本では比較的頻度が低い。
検査方法: EIA
ウイルス性肝炎検査:HBV−DNAラミブジン耐性遺伝子
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.100
2007-09-24T13:00:27Z
2007-09-24T13:03:50Z
ラミブジン耐性HBVではMがV(バリン)、I(イソロイシン)に変異したYVDD、YIDDといった変異体が存在します。この変異を検出することはラミブジンを長期投与する場合において、病態の把握や予後の予測に重要です。
現在までのところB型肝炎ウイルス(HBV)感染症に対する有効
な治療法は未だ確立されておらず、抗ウイルス療法としてインター
フェロンが、免疫療法としてステロイドが用いられています。しか
しこれらの治療法では十分な効果が得られない症例もあります。
英国グラクソ社で開発されたラミブジン(Lamivudine:(-)-2'-deoxy
-3-thiacytidine)はHBVの逆転写酵素を阻害し、ウイルスの増殖
を抑える新しいHBVの抗ウイルス剤として臨床上注目されていま
す。しかし、この薬剤を長期投与した場合において変異体が出現し、
臨床効果を妨げていることが明らかになってきました。
その中で最も報告が多いのが、逆転移酵素に特徴的なチロシン(Y)
メチオニン(M)、アスパラギン酸(D)、アスパラギン酸(D)
で構成されるYMDDmotifと呼ばれる部分の変異です。
ラミブジン耐性HBVではMがV(バリン)、I(イソロイシン)
に変異したYVDD、YIDDといった変異体が存在します。この
変異を検出することはラミブジンを長期投与する場合において、病
態の把握や予後の予測に重要です。
本法はYMDDmotifのMがVやIへの変更をPCR−ELMAに
より高感度にHBVラミブジン耐性遺伝子を検出します。
測定方法: PCR-ELMA
HBV−DNAラミブジン耐性遺伝子の結果報告
下記の3タイプの存在について(−)または(+)で報告
「HBVラミブジンYMDD」(野生型:Met)
「HBVラミブジンYVDD」(変異型:Val)
「HBVラミブジンYIDD」(変異型:Ile)
全てのタイプが検出されなかった場合:「検出せず」
適応疾患:B型肝炎ウイルス感染症
ウイルス性肝炎検査:IgM−HA抗体
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.94
2007-09-22T15:31:25Z
2007-09-22T15:44:45Z
A型肝炎の急性期のHA抗体はIgM型であることから、患者血清中のIgM型HA抗体を検出すればA型肝炎と診断されます。
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基準値:0.8未満(陰性)、0.8〜1.1(判定保留)、1.2以上(陽性)
単位:Cut off index
測定方法:EIA
異常値を示す疾患・病態
上昇する疾患:A型肝炎
ウイルス性肝炎検査:HBe抗体
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.93
2007-09-22T15:29:24Z
2007-09-22T15:30:53Z
HBe抗原陰性の結果は、ウイルス増殖(複製)のピーク前の早期の急性肝炎、またはHBe抗原が検出限界を下回る濃度に減少した回復期の初期を示すと考えられます。
HBe抗原陰性の結果は、ウイルス増殖(複製)のピーク前の早
期の急性肝炎、またはHBe抗原が検出限界を下回る濃度に減少
した回復期の初期を示すと考えられます。
HBe抗体はこの2つの期間を鑑別する上で有用です。一部のB
型慢性肝炎患者では、血清中にHBe抗原が検出されず、HBe
抗体が陽性となる場合があります。これらの患者では、血清中の
B型肝炎ウイルスDNAも陽性となります。
HBe抗体は、血中のHBe抗原陰性化とともに血中に出現して
きます(セロコンバージョン)。そのため、HBe抗体の出現は
ウイルス複製の減少に伴うウイルス量の減少の指標として用いら
れ、B型慢性肝炎患者の治療において、経過観察、予後の指標と
して有用です。
基準値: (EBIH)50未満(%)
測定方法:CLIA
異常値を示す疾患・病態
上昇する疾患:B型肝炎
ウイルス性肝炎検査:HBe抗原
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.92
2007-09-22T15:13:55Z
2007-09-22T15:19:13Z
HBe抗原及びHBe抗体はB型肝炎ウイルス感染が考えられる検体中で検出され、これらのマーカーの有無はHBs抗原陽性患者の病態について有益な情報を提供します。
HBe抗原及びHBe抗体はB型肝炎ウイルス感染が考えられる
検体中で検出され、これらのマーカーの有無はHBs抗原陽性患
者の病態について有益な情報を提供します。
HBe抗原は、B型肝炎ウイルス感染後、HBs抗原出現に引き
続いて血中に出現し、これらの抗原はウイルスの増殖(複製)に
伴って急激に増加します。HBe抗原の存在はDane粒子、肝実質
細胞各内のHBc抗原の発生ならびに血清中のDNA−ポリメラ
ーゼ活性などと関連のあることが知られており、この時期には肝
機能障害も認められます。
また、患者のウイルス量を反映することから、他者への感染のリ
スクを判断する指標としても用いられています。
HBe抗原陽性の妊婦では、出産直後の新生児に対してHB−Ig
GおよびHBワクチンを投与することが有用です。
基準値: (EGCO)1.00未満
測定方法:CLIA
異常値を示す疾患・病態
上昇する疾患:B型肝炎、急性期初期、持続感染
ウイルス性肝炎検査:HBc抗体
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.91
2007-09-22T15:10:13Z
2007-09-22T15:28:27Z
HBs抗原産生量が非常に少ない場合や一過性感染例では、HBVに対する感染抗体であるHBc抗体を測定することが必要となります。
HBV感染症の血清学的診断は、血中HBs抗原の検出により可能
ですが、HBs抗原産生量が非常に少ない場合や一過性感染例では、
すでにHBs抗原が消失している場合もあります。このような例で
はHBVに対する感染抗体であるHBc抗体を測定することが必要
となります。
意義としては、低抗体価(低力価)はHBVの過去の感染(多くの
場合、HBs抗体陽性)を示し、高抗体価(高力価)はHBVの感
染状態(ほとんどの場合HBs抗原陽性)を示す指標となります。
基準値:1.00未満 (S/CO)ハンテイ(−)
測定方法:CLIA
異常値を示す疾患・病態
上昇する疾患:B型肝炎急性期、急性期後期、持続感染
ウイルス性肝炎検査:HBV−DNAポリメラーゼ
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.90
2007-09-20T14:54:21Z
2007-09-22T15:28:13Z
Dane粒子由来のDNA−ポリメラーゼはHBe抗原とならんで完全HBウイルスおよび感染因子に対する特異的なマーカーです。
Dane粒子由来のDNA−ポリメラーゼはHBe抗原とならんで完全
HBウイルスおよび感染因子に対する特異的なマーカーとして注目
されています。
B型肝炎ウィルス(HBV)のDNAは基本的には2本鎖ですが、
通常はその30〜50%部分は1本鎖になっており、HBVの増殖
期や活動期には完全な2本鎖に修復されます。この際、修復にあた
る酵素がHBV−DNAポリメラーゼです。
DNA−ポリメラーゼ活性の上昇は肝細胞におけるHBVの増殖を
示し、HBV動態の指標となります。また、これにより肝炎の増悪
を予測する指標ともなります。さらに薬剤投与後の効果、経過観察
にも有効です。
基準値: 30未満(cpm)
測定方法:RA
上昇する疾患
B型肝炎感染初期
ウイルス性肝炎検査:HCVコア抗体
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.89
2007-09-20T14:51:16Z
2007-09-22T15:27:56Z
コア抗体価はHCV−RNAの消長と関連しており、HCV−RNA陽性例は陰性例に比して抗体価が高力価であるとから、ウイルス血症の鑑別に有用と考えられます。
HCVコア抗体検査は、コア領域に対応したc22-3蛋白を抗原とし
て用いています。コア抗体価はHCV−RNAの消長と関連してお
り、HCV−RNA陽性例は陰性例に比して抗体価が高力価である
とから、ウイルス血症の鑑別に有用と考えられます。
また、IFN治療においてIFN投与前のコア抗体価に比して、投
与中または投与後の変化率が50%以下に低下した場合にはウイル
ス血症の消失例が多いことから、ウイルス血症消失の判定を目的と
した経過観察にも有用と考えられます。
慢性肝疾患でコア抗体価が10Unit以上の場合、HCV−RNA陽
性(HCV感染者)が多く見られます。また、各種HCV抗体陽性
でALT(GPT)正常の場合、コア抗体価が100Unit以上に
HCV−RNA陽性が多く10Unit以下にHCV−RNA陰性(非
HCV感染者)が見られます。
コア抗体価は血中のウイルス量に伴って変動し、インターフェロン
(IFN)療法に伴うHCV−RNAの消長をよく反映しています。
実際、IFN投与後1年以内にコア抗体価が投与前値の50%以下
に低下した症例のほとんどでHCV−RNAの陰性化が認められ、
IFN療法の有効性判定の指標となることが報告されています。
ただし、コア抗体価とHCV−RNA量との間に一定の量的相関が
あるわけではなく、あくまでも抗体価の変化率に基づく判定です。
基準値:0.9以下(陰性)1.0以上(陽性)単位Unit
測定方法:RIA固相法(IRMA)
ウイルス性肝炎検査:HBV−DNA
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.87
2007-09-19T14:24:22Z
2007-09-22T15:26:52Z
肝炎の自然経過の把握や薬剤治療の効果判定の最も直接的な指標として、従来の血清学的ウイルスマーカーに代わりB型肝炎ウイルス(HBV)特異DNA測定が重視されています。
B型慢性肝炎の病態は血中ウイルス量の推移に密接に関連すること
が知られており、肝炎の自然経過の把握や薬剤治療の効果判定の最
も直接的な指標として、従来の血清学的ウイルスマーカーに代わり
B型肝炎ウイルス(HBV)特異DNA測定が重視されています。
B型慢性肝炎では一旦感染したウイルスを完璧に排除することが困
難であり、その治療目標もウイルス増殖の抑制および病態の進展阻
止が主眼となります。
1970年代半ばにB型慢性肝炎に対するインターフェロン療法の
有効性が初めて報告されて以来、今日までさまざまな薬物療法の選
択肢が登場してきましたが、それらに対する応答は症例により一様
でなく治療開始前における血中ウイルス量の高低に少なからず依存
するといいます。
また、HBVはそのゲノムの塩基配列比較に基づき、全塩基配列間
で互いに8%以上異なるA〜Gの遺伝子型(genotype)に分類され
ます。最近の研究によれば、遺伝子型の違いも肝炎の病態進展、H
BV遺伝子変異の出現、薬剤治療効果に影響を及ぼすことが示唆さ
れています。
HBVの遺伝子型別は、型間で配列の大きく異なるpre-S1領域を標
的としたPCRにより比較的簡便に実施することが可能です。
なお、遺伝子型分類は従来より用いられてきた"サブタイプ(血清型
:serotype)"とは必ずしも一致しません。
適応疾患
B型肝炎ウイルス感染症
ウイルス性肝炎検査:HBs抗体
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.86
2007-09-19T14:21:20Z
2007-09-22T15:26:18Z
急性B型肝炎発症後の6ヶ月以降に陽性となります。またHBワクチンの接種によっても獲得されます。
B型肝炎ウイルス(HBV)の外殻(surface)蛋白であるHBs
抗原に対する中和抗体であり、急性B型肝炎発症後の6ヶ月以降に
陽性となります。またHBワクチンの接種によっても獲得されます。
HBs抗体陽性者にはHBVの再感染は起こらないとされています。
HBs抗体の測定はおもにHBワクチンの接種効果の判定とウイル
ス性肝疾患例において、非B型であることを証明する目的で行われ
ます。
陽性であれば、HBVの感染の既往があること、あるいはHBワク
チンによって抗体が獲得されたこと、さらにHBVに再感染する恐
れがないことがわかります。
ウイルス性肝炎検査:HBs抗原
tag:www.kensin-kensa.com,2007://1.85
2007-09-19T14:18:54Z
2007-09-22T15:26:00Z
HBs抗原はB型肝炎疾患を疑うとき、または感染を防ぐ意味で他の疾患でも、初診時あるいは、入院時のスクリーニングに検査します。
HBs抗原はB型肝炎疾患を疑うとき、または感染を防ぐ意味で他
の疾患でも、初診時あるいは、入院時のスクリーニングに検査します。
B型肝炎ウイルス(HBV)の外殻タンパク抗原(surface antigen)
です。血流中のHBVは電子顕微鏡的に、Dane粒子と呼ばれる重層
の球体構造をもつDNA型ウィルスであり、中心部のタンパク(コア
蛋白)の周囲を覆う形で存在しているのがHBs抗原です。
HBs抗原陽性は、現在HBVに感染していることを示しますが、
必ずしも肝障害を起こしていることを意味していません。
HBVの感染が出産時の母子感染(垂直感染)による場合には、肝
障害を起こさない状態が10数年続くこともあります(無症候性キャ
リアasymptomatic carria:ASC)
肝障害があって陽性の場合はHBVの活動性や感染力を判定するた
めに、HBe抗原・HBe抗体・HBV−DNAポリメラーゼある
いはHBV−DNA定量を行います。また、感染様式を明らかにす
る目的でHBc抗体の抗体価・HBcIgM抗体価を測定します。
陽性:HBV無症候性キャリア・急性B型肝炎・慢性B型肝炎・
B型肝硬変症・B型原発性肝細胞癌